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『牡丹と薔薇』よりスゴい昼ドラがあった

『真珠夫人』『牡丹と薔薇』などカルトなまでにドロドロなドラマがウリの東海テレビ昼ドラですが、内容の凄まじさでは上回るドラマがありました、それも30年前に。

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

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フジテレビ系13時30分からの昼ドラ枠、フジ系で東海地方をネットする放送局、東海テレビが制作することから東海テレビ昼ドラと呼ばれています。

近年『真珠夫人』『牡丹と薔薇』などカルトなまでにドロドロなドラマがウリですが、内容の凄まじさでは上回るドラマがありました、それも30年前に。


ちょっと竜宮城にいってくる


それは76年に放送された『三日月情話』です。東海テレビ昼ドラ枠は72年に始まりましたが、初期は15分番組。30分になったのは『三日月情話』からで現在の形の元祖といえます。

ストーリーは……

ヒロインの主婦・克子(藤田弓子)が初めての妊娠を知った日、夫・拓也(中山仁)は「ちょっとそこまでいってくる」「どこにいらっしゃるの?」「竜宮城だ」と謎の言葉を残したまま失踪する。克子は同じく妻に失踪された鋭一(有川博)とともに夫を捜して浦島伝説ゆかりの地を歩く。そしてついに夫が千葉の常代神社がある三日月村にいることをつきとめる。

そこには日本が後に大和朝廷をつくる騎馬民族に征服する前から日本にいた出雲族の末裔・常世一族が住んでおり、拓也は巫女の乙姫(石原初音)に子どもを産ませるためにきたのだった。

克子は拓也と再会するが、そのころ大和朝廷の流れをくむ久米一族が出雲族を滅ぼそうと迫っていた……


と『仮面ライダー』の新シリーズですか?というストーリーですが、間違いなく昼ドラです。


騎馬民族征服王朝説


『三日月情話』がこんなスゴいはなしになった大きな要因は脚本の佐々木守です。

佐々木守は『赤い迷路』『赤い運命』や問題作『お荷物小荷物』とともに『おくさまは18才』などの若もの向け、『アイアンキング』など変身ヒーローもの、『アルプスの少女ハイジ』などのアニメとものすごく幅広いドラマを書いてきた大ヒット脚本家です。

そんな佐々木守が傾倒していたのが、日本の大和朝廷は朝鮮半島からきた騎馬民族によってつくられたという「騎馬民族征服王朝説」。

変身ヒーローの『アイアンキング』でも大和王朝の流れを引く日本民族の打倒を叫ぶ不知火族を敵にするなど騎馬民族征服王朝説を下敷きにしていましたが、それに浦島伝説をドッキングしそれを昼ドラでやるとは……

ともかくすごいドラマです。

さてそんな『三日月情話』がスカパー!で放送されます。スカパー!初放送ではありませんが、前回登場が2002年でW杯の年にしか放送されない?貴重なドラマです。


スカパー!361ch ファミリー劇場
1月4日から 月~土の7:00~7:30放送。



佐々木守主要作品

メイン:コメットさん(九重版、大場版)、月火水木金金金、柔道一直線、おくさまは18歳、お荷物小荷物、刑事くん、シルバー仮面、アイアンキング、新十郎捕物帖 快刀乱麻、三日月情話 、11人いる!、赤い迷路、赤い運命、赤い絆、ピーマン白書、高校聖夫婦


サブ:七人の刑事、文吾捕物絵図、2丁目3番地、天下御免、ウルトラマン、ウルトラセブン、アルプスの少女ハイジ

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