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挨拶で思いやりの気持ちを育む(2ページ目)

「きちんと挨拶できる子に」と、キリキリすることはありませんが、小さなうちから習慣として身に付けてしまえば、大きくなっても自然にできるように。まずは親が見本になりましょう!

河崎 環

執筆者:河崎 環

子育てガイド

江戸の知恵に学ぶ! 挨拶の仕方

『暮らしうるおう 江戸しぐさ』
『暮らしうるおう 江戸しぐさ』越川 禮子著 税込945円
ですが、学校で一斉にする「礼」やビジネスマナーとしての「ご挨拶」の仕方は一通り知ってはいても、いざご近所などの身近な日常の場で挨拶となると、なかなか難しいものです。人によっては急いでいてそれどころじゃないという相手もいますし、誰もがそれほど親しい人でもなかったりもします。

例えば、保育園・幼稚園の朝の送りのときなど知っている人にだけひときわ親しげに挨拶をして、他の人には目もくれず、場合によっては「誰この人、知らない」と無視してしまうようなお母さん。公園のお砂場で子ども同士が意気投合して仲良く遊んでいるのに、こちらに寄り付こうともせずに遠くから仏頂面で子どもを「監視」しているお母さん。どう思いますか。その姿が子どものお手本になるかどうか……考えてしまうところですよね。

『暮らしうるおう 江戸しぐさ』という本では、今の世の都市生活だからこそ役立つ、江戸の感性による人付き合いのヒントを紹介しています。様々な地方・身分の人が激しく往来した大都市・江戸だからこそ、そこには「謙虚」「他人を尊重する」を軸とした挨拶の方法があったのだそうです。

渡し舟や銭湯などでたまたま同席するなど、ほんのつかの間の「ご縁」に過ぎない相手に対しても、一期一会の気持ちを持って和やかに軽く挨拶を交わす。見知らぬ人だからと陰気な顔や仏頂面はせず、笑顔で思いやりある挨拶ができるというのが、江戸の人々の「粋」でもあったのです。

ですから、そういった軽やかですっきりした挨拶のできない者は「野暮」もいいところ。現代でも、たまたま同じ園に通っていたり同じバスに乗ったりで束の間お近づきになったのなら、目が合ったときに軽く「粋」に挨拶できるほうがお互い気持ちがいい。自分の子どもにも、どうせなら「粋」な背中を見せたいですよね。

時間の挨拶は柔軟に

ガイドの上の子供が小さい頃、「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」の使い分けを教えるのに、はたと考えてしまったことがありました。

「ねぇママ、今のひと、もう日が暮れたのに『こんにちは』って言ってたのはどうして?」

時間によって異なる挨拶は日本文化のいいところ。「おはよう」は夜明けから朝10時頃まで、「こんにちは」は午後6時頃まで、「こんばんは」はそれ以後の夜の挨拶というのを目安にと昔習った覚えがあります。ただ、日没の時間だって四季によって移り変わるし、現代にあってはライフスタイルだっていろいろだし、厳密なことは何もありません。

ですから先ほどの上の子どもの問いかけには、

「今の人にとっては、まだ『こんにちは』の時間だったんじゃないかな? 時間の感覚は人によってまちまちだから、あちらが『こんにちは』って挨拶してくれたときは、訂正せずに同じ言葉で返してあげたほうが相手のひとも気持ちがいいよね」

と答えました。

そういえば、英語の”Good morning””Good afternoon”は、正午(Noon)の前か後かを目安に使い分けるとか。時間によって使い分ける挨拶は、そのひとの感覚次第。何を言うかよりも、笑顔で挨拶する気持ちが大事なのよと教えてあげたいものです。

>>>子どもでも知ってる「肩引き」「傘かしげ」って何?/子どもの会釈のポイントは?>>>
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