輸入車/注目の輸入車試乗レポート

今、“頑張って買える”市販最速車、ZR1

これがホンマにコルベット? と思うくらいに乗り心地がいいのに、フェラーリやランボルギーニより速いZR1。世界一流のスポーツカーと“ツルシ”で戦えることを証明した、歴史に残るコルベットです。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

フェラーリやランボルギーニよりも速い

コルベットZR1
2008年のデトロイトショーに初めて登場したコルベットの最強モデル。2010年より国内にも導入された。サイズは全長4476×全幅1929×全高1236mm。価格は1490万円となる

おっそろしいクルマである、ZR1。今、“頑張って買える”市販車最速は間違いない。ベイロンはどうあがいたって買えないからね。フェラーリやランボルギーニより、速い。いや、ホント、速い。

何が恐ろしいって、あまりの速さに加速の途中から我を失い、ついでに速度感まで失って、ふんわり魂が空中を漂いはじめ、ハッと気がつけばとんでもない速度(そうだな、標準的な欧州プレミアムスポーツブランドの自発的限界域)に達してしまっているという恐ろしさ。

これがホンマにコルベット? と思うくらいに、安定しているし、乗り心地はいいし、サウンドにも脅かしがない。だから逆に、怖い。

コルベットZR1
コルベットZR1
カーボン製ボンネットにはポリカーボネイト製の窓が備わり、インタークーラーと「LS9 SUPERCHARGED」の文字がのぞく
アルミニウムストラクチャーそのものは7リッターのZ06と同じ。ノーマルとは全く違う、レーシングカー由来のもの。要所要所にマグネシウムやカーボンコンポジットを使った軽量かつ強靭な骨格だ。

ZR1には6.2リッタースーパーチャージャー付きLS9ユニットが搭載される。647ps。2駆のFR、しかもアメリカンマッスルであることを考えれば、途方もないイメージが先に立つ。

ボンネットフードを25mm盛り上げているのはスーパーチャージャーユニット。フードの中央にプレクシガラスの窓が開けられ、そこからスーパーチャージャーユニットのカバーが見える仕組み。

ダンパーにはマグネティックライドコントロールシステムが採用され、リアアクスルも強化されているのがZ06との違い。トランスアクスル式6速マニュアルギアボックスも新設計のツインクラッチプレートタイプだ。

コルベットZR1
フェンダーなどにカーボンを使用し軽量化を図った。 ルーフ、フロントスプリッター、ロッカーモールディングは、クリアコート仕上げでカーボンと分かるように仕上げられている。ホイールはオプションでクローム(26.25万円 写真)も用意される、タイヤサイズは285/30ZR19(前)335/25ZR20(後)

その他、ミシュランパイロットスポーツ2の専用タイヤを履き、スピードライン社製アルミホイールの奥にはブレンボCCMブレーキシステムが見える。タイヤサイズは前19インチ、後20インチ。ノーマルはシルバーだが、試乗車にはクロームが履かされていた。

リップスポイラーやサイドスカート、ルーフパネル、ルーフボゥなどカーボンファイバー素材を積極的に採用していることが見て取れるが、フェンダーやフードも実はカーボン製。ぶつけたら、高くつきそう。

室内ではレザートリムとロゴ入りのアイテムが目立つ程度で、見た感じには他のC6コルベットと大差ない。この素っ気なさがアメリカンだ。十万ドルを超えるクルマにふさわしいかどうかは別にして……。

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