MAZDA(マツダ)/その他のマツダ車

オープンカー試乗記 マツダ・ロードスター

昨年夏にマイナーチェンジが施されたマツダ・ロードスター。通常は化粧直しの意味合いが強いマイナーチェンジであるが、ロードスターの場合はその例に当てはまらない。新たに生まれ変わったロードスターは、その魅力をさらに進化させていた。トップモデルであるRS系を試乗した印象を語る。

執筆者:河口 まなぶ


新しくなる度、必ず進化を感じさせる。しかも、本質である「人馬一体」を少しも失うことなく。ロードスターは、まさにそうして歴史を刻んできたクルマだ。今回のマイナーチェンジでもそれは確かに実践されていた。

新しく生まれ変わったロードスターを一言で言うなら、「より親密になった」という表現が相応しい。これは主に走りにおける印象。つまりこれまでよりさらに操る楽しみを味合わせるクルマに仕上がっていた。

エクステリア/インテリアでは細かな部分が一新された。中でも一番うれしかったのは、キーにヘッドが付いたこと。2代目モデルへと進化してから今まで、キーは薄っぺらな金属むき出しで、それをしてボクは主査の貴島氏に「これはスポーツカーを買う人に失礼」と言い続けてきたが、それがようやくキチンとしたものになった。細かな話だがこの点は非常に満足。やはりキーは大切だ。

今回の目玉はトップモデルRS系の性能向上。まず205/45R16というロードスターにはオーバークオリティと思えるタイヤが装着される。だが、新たに特性を見直したビルシュタインサスの効果やボディ剛性のアップにより、このタイヤを見事に履きこなす。

改良された1.8Lエンジンは、S-VTと呼ばれる連続可変バルブタイミングを採用するなどして160ps/17.3kgmのスペックを得た。体感としても、明らかにマイチェン前よりも優れたフィーリングと頼もしさがある。

EBDの採用などにより、より安定性とコントロール性をアップさせたブレーキを踏みつつ、確かな感触を伴うステアリングを切り込むと、テールはこれまで以上にリアルな感覚を伴いつつ流れ始める。その先はスロットル次第で自由自在に姿勢変化が可能。しかもこの瞬間は、濃密な時間の流れさえ感じるほど安心できる高い安定性がある。

それはまるでクルマと対話している感覚ですらある。今回の試乗で、ボクは再びロードスターに感動を覚えた。マイナーチェンジにも関わらず、初代から2代目へ進化した時に感じた大きな感動と同じほどのものを。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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