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上質コンパクトに1.8リッターモデルが追加設定 ティーダ 18G 試乗レポート(2ページ目)

発売開始以来好調な売れ行きを見せているティーダに、事実上のトップグレードとなる1.8リッターモデルが追加設定。プラス300ccの違いを検証してみたい。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

官能性面の熟成に期待


回転フィールや音に日産らしいこだわりが欲しい。
 一方、少々残念なのはその加速していく過程がイマイチ気持ち良くないところ。大きな原因は4000回転を超えるあたりからややガサツな音を響かせてしまうエンジンにある。18Gに搭載されるMR18DE型エンジンは、新型ミニバンのラフェスタが搭載する2リッターエンジン、MR20DE型がベース。しかし、そもそも日産が「心地よいサウンド」と言うMR20DE型エンジン自体、高回転域になると「もう回さないで!」的な苦しい音を出してしまう。ベースエンジンの煮詰め不足は1.8リッターとなってもそのまま受け継がれてしまっていると言ったところか。 エンジン周りを覗くと振動を抑えるために大きなバランスウェイトが装着されていたりするなど、開発者の苦労をうかがわせる細かな努力の跡も見える。MR型エンジンシリーズは今後もっと抜本的な解決策を図りながら熟成させていく必要があるだろう。 コーナーリング性能については、基本的に1.5リッターモデルと同様。路面の凹凸に対する初期段階のフィーリングにやや難があるものの、ロールし始めてからのしなやかさと軽快感のある動きはまさに日産車特有のファンな味付け。テストコースで限界走行をしてみると、リアが流れた後のコントロール性も文句無し。ややテールハッピーなところはあるのだけれど、日産の開発担当の方に聞くと「ターゲットユーザーの中心となる中高年世代の人にはクルマ好きが多いですから」。それなら、もう少しステアリングインフォメーションをはっきり伝えた方が好ましいかもしれない。
15インチアルミホイールはオプション。
 さて、ティーダ18Gは魅力的か? ウィッシュなどにも手の届く価格からしてコストパフォーマンスで勝負するのは厳しい。もともと販売価格が多少高くなっても細部にまでこだわった上質な作り込みを目指したクルマなのだから、平均的な動力性能を持つ1.5リッターモデルでもユーザーの所有満足度は十分に高いはず。1.8リッターエンジンモデルを追加した大きな目的は「気に入った車種のトップグレードを買いたい」という人向けじゃなかろうか。より一層プレミアム感の高い選択肢を設けるといった狙いが強いと思う。個人的にはスポーツグレードに期待したい。

関連サイト
日産自動車公式HP
ティーダ
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