マクロ経済スライドによる改定のポイントとなるのは、スライド調整率と呼ばれる一定率です。
これは、公的年金の被保険者数の減少率(実績値)と平均的な年金受給期間(平均余命)の延び率を勘案した一定率で、2025年までは、スライド調整率は平均0.9%と見込まれています。
ところで…マクロ経済スライドは、最終的な保険料水準による保険料負担の範囲内で年金財政が安定する見通しが立つまでの間適用する(これを「スライド特例期間」という)こととし、その後は、年金額改定の原則どおりにもどすとされています。
また、マクロ経済スライドの適用については、世代間の公平の観点から、新しく年金を受給できるようになった世代も既に年金を受給している世代も同様に行なうことになります。
マクロ経済スライドによる給付水準の調整は、1人あたりの賃金や物価が上昇する場合にのみ実施されますから、これらが下落する場合は通常の賃金スライドや物価スライドが実施されることになります。
つまり、賃金や物価の上昇があった場合でも、その上昇率が0.9%を超えたもので無い限りマクロ経済スライドの調整により年金額アップの改定は行なわれませんし、例えば現在のように物価が下落しているような場合には、マクロ経済スライドは実施されませんから、0.9%は加味されずに物価下落率分だけを翌年度より下げる改定を行うことになります。
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