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ゼロ金利解除!住宅ローンの落とし穴

「ゼロ金利解除は、金利が上がる」=返済額アップ!!というのはおなじみですが、さらに困った事に、借入時にはほとんど説明がなかった、住宅ローンの落とし穴があるのです。

山口 京子

執筆者:山口 京子

家計簿・家計管理ガイド

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変動金利
借りる時は熱心に研究したローンの事も、返済が始ると忘れてしまう事がほとんどです。

「ゼロ金利解除で、金利が上がる」=返済額アップ!!というのはおなじみですが、さらに困った事に、借入時にはほとんど説明がなかった、住宅ローンの落とし穴があるのです。

金利上昇秒読み!


ゼロ金利政策の解除を受け、2006年7月中にも銀行が企業にお金を貸す金利、短期プライムレートが6年ぶりに引き上げられそうです。住宅ローンの変動金利は、この通称「短プラ」+1%にしている銀行が多く、2006年7月19日現在2.375%の金利も、上がる可能性が高くなってきました。

金利のおさらい


住宅ローンの金利には、大きく分けて「固定金利」「固定金利選択型」「変動金利」の3種類があります。それぞれ、住宅ローンを組む時には、不動産屋さんや銀行から金利についてこのような説明を受けたと思います。
固定金利
借入の期間を通して金利が変わりません。

固定金利選択型
1~10年の一定期間は固定金利で、期間終了後は「変動金利」か「固定金利」を選べます。

変動金利
市場金利によって、金利が変わります。

金利が上がると


■固定金利は
最初に借りた金利が変わらないので返済額も変わりません。シンプルで分かりやすいですね。

■短期固定金利で借りている人は
1~2年前にキャンペーン金利で1%前後の「短期固定金利」が人気になりました。2~3年の固定金利期間終了後は、キャンペーン金利が終わってしまいますので、金利が上がり返済額もその分増えてしまいます。

固定金利期間が終わる前に、金利上昇に返済額が耐えられるのか?今すぐ長期固定金利に借り換えるべきか?繰上げ返済で残高を減らせばどれくらいの金利上昇に耐えられるか?借入先の金融機関でシミュレーションしてもらいましょう。

■変動金利は
すぐに金利上昇の影響を受けるのは変動金利です。金利の見直しが半年ごとに行われますが、返済額が半年ごとに上がったり、下がったりしたら大変なので、返済額の見直しは5年ごとに行われます。また、見直し後の返済額は、変更前の返済額の1.25倍が限度とされています。

つまり、金利が上昇しても「5年間は返済額が変わらない」「どんなに金利がアップしても、返済額は1.25倍にしかならない」と思っている人が多いのですが、急に金利が上昇するとそれではすまない、大きなツケが後で回ってくるのです。


返済額アップだけじゃない、変動金利の怖い話


金利が上昇すれば、当然支払わなくてはいけない「利息」も増えます。しかし、「毎月の返済額は5年間変わらない」ルールがありますので、返済額は変わらず利息は増える?!つまり返済額のうち分けが、元金と利息ではなく、利息だけになってしまう事もあるのです。この場合は、毎月返済していても元金は1円も減りません。

さらに、「返済額」を「利息」が超えてしまった場合は、その超えた分の利息の支払いは繰り延べられることになります。これを「未払利息」といいます。返済額見直し後も「返済額は1.25倍が限度」というルールにより、払われない未払利息が積み上がっていく可能性があります。この「返済額1.25倍」ルールは、これ以上のお金は払わなくてもいいというルールではありません。

最後まで未払利息と元金が残った場合は、最終返済日に一括して返済しなければいけないことになります。

ローンを組む時に、ここまで変動金利の説明を受ける事はまれです。契約の際にもらう、ローンの説明書などに書いてある事もありますが、細かい説明をじっくり読む人も少ないでしょう。銀行のホームページにも、「未払利息」については、あまり書かれていません。

一体どれくらい金利が上昇すれば「未払利息」になるのか?未払利息を防ぐには?次のページで明らかになります。
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