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経済のプロが小学校にやってきた!(1)仕事を問う

金融・経済のプロが小学校にやって来た。10月20日のことだ。学校教育ではなかなか教えることができない「経済・仕事」。これをメインテーマに民間で働く人間が教壇に立つはじめての試みだった。

川崎 さちえ

執筆者:川崎 さちえ

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小学校でする「仕事と経済」の授業 

矢板市立西小学校。校舎はさほど大きくないが、校庭は広い。周りを緑に囲まれている。

矢板市立西小学校。校舎はさほど大きくないが、校庭は広い。周りを緑に囲まれている。

栃木県矢板市にある西小学校は、全校生徒92名という小さな小学校だ。周辺を緑に囲まれたこの小学校は、平成20年度全日本学校関係緑化コンクール、学校環境緑化の部(小学校)にて特選 文部科学大臣・日本放送協会会長賞を受賞するほど緑化に力を入れているため、四季の移り変わりを直に感じる自然あふれる環境が用意されていると言ってもいいだろう。そのような環境のもと、子供たちは日々学校生活を送っている。

この授業は、地元の新聞「下野新聞」でも大きく取り上げられた。

この授業は、地元の新聞「下野新聞」でも大きく取り上げられた。

2010年10月20日(水)、西小学校で珍しい授業が行われた。おそらく、あまり耳にしないであろう、「経済と仕事」をテーマにした授業だ。対象は5、6年生。彼らに以下の問いかけをすることで、まずは仕事や経済に興味を持ってもらい、そして自分で考えるきっかけを与える。これが目的だった。

「仕事って何だろう」
「働くってどういうことだ?」
そして
「経済とは何なんだろう?」

子供たちに「仕事と経済」を考えてほしい 

あらためて問われると、大人でも考え込むような内容である。しかし、だからといって子供たちに教えなくてもいいということではない。むしろ、子供のうちに、一度でも考える時間をもってほしい。

この授業の裏には、そういう思いが存在した。そして子供たちに「教える」という姿勢ではなくて、あくまで「語りかける」。このスタンスで今回の企画はスタートすることになった。

講師は、経済・金融に深い知識を持つ、いわゆるその道のプロ。NPO法人「元気な日本をつくる会」のメンバーである中野晴啓氏だ。彼の本業を、子供たちでも簡単に分かるような大枠で表現するのであれば「社長」である。セゾン投信という会社の舵をとり、同時に生活者に資産運用や自立して生きていくことの必要性を説いているが、今回はあくまでNPO法人のメンバーとして授業を行うことになった。

なぜこの小学校なのか?それは、西小学校がガイドである私の母校だからだ。であれば、私が講師をすればいいのだが、私よりも仕事や経済に詳しい人がいた。だから私は中野氏に講師を依頼し、そして共に今回の企画をスタートさせたのだ。
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