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どれがホント? 3種類ある食料自給率とは

食料自給率の低下が深刻な問題になっています。直近の平成18年度ではとうとう40%を割れたとのこと。しかし、計算を変えれば68%にもなる食料自給率。いったいどういう計算なのでしょう。

執筆者:石原 敬子

文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
農業政策の見直しに加え、地球温暖化防止、食の安全などさまざまな観点から、食料自給率が注目されています。ところが、この食料自給率は、計算方法によって数値が大きく違うのです。それでは、食料自給率はどのように計算されるのでしょうか。

<INDEX>
まず、食料自給率とは(1P目)
カロリーベースは食料自給率39%(1P目)
生産額ベースは食料自給率68%に(1P目)
重量ベースは主食用穀物自給率60%(1P目)
外国産エサを食べた国産豚は、計算されない(2P目)
米とイモ、和食中心で自給率引き上げ?(2P目)

まず、食料自給率とは

畑
トースト、ハムエッグ、サラダ、紅茶・・・自給率は何%?
その国の人々が食べている食料のうち自国で作られている割合のことを、食料自給率といいます。最近話題に上っている「食料自給率が40%を切り、39%となった」というのは、カロリーベースで計算した平成18年度の総合食料自給率のことです。

しかし、他の方法で計算すると、同じ平成18年度でも68%になったりもします。複数の計算結果が存在するのは、食料自給率にはいくつかの根拠に基づいた、計算方法があるためです。

大きく分けると、食料自給率には3種類の計算方法があります。 それは、
  1. 食料の消費カロリーで計算する方法
  2. 重量で計算する方法
  3. 生産金額で計算する方法
です。

カロリーベースは食料自給率39%

一般に、「我が国の食料自給率」と言っている場合は、カロリーベースの食料自給率(供給熱量総合食料自給率)を指しています。これは、食料は生命と健康の維持に必要なものであり、その必要なエネルギーをどの程度国産でまかなっているかという点に着目しています。

カロリーベースの食料自給率(平成18年度)=(国民一人一日当たり国産熱量[996kcal])/国民一人一日当たり供給熱量[2,548kcal]×100=39(%)

生産額ベースは食料自給率68%に

たとえば野菜や果実は、同じ重量や同じコストで見た場合に、米やいもに比べて比較的低カロリーです。そのため、カロリーベースで計算すると、その食料を生産するために使った費用や労働力を正当に評価できないこともあります。そこで、経済価値に注目する場合には、より的確に示すために生産額を使います。

生産額ベースの食料自給率(平成18年度)=(食料の国内生産額 [10.2兆円])/食料の国内消費仕向量[14.9兆円]×100=68(%)

重量ベースは主食用穀物自給率60%

食料自給率を世界の他の国々との比較をすることがあります。この場合、国によってデータの制約があるので基礎的な食料にのみ着目し、穀物自給率がよく使われます。

品目別に自給率を計算する場合にも、国内生産量、輸入量など、その食品の重さそのものを用いて計算します。

主食用穀物自給率(重量ベース)(平成18年度)=主食用穀物の国内生産量[万トン]/主食用穀物の国内消費仕向量[万トン]×100=60(%)
(米、小麦、大・裸麦のうち、飼料用を除く)

飼料を含む穀物全体の自給率(平成18年度)=主食用穀物の国内生産量[万トン]/主食用穀物の国内消費仕向量[万トン]×100=27(%)

特に、カロリーベースの食料自給率が40%を切ったことは最近大きな話題となっています。次のページでは、この算出方法についてもう少し詳しく見ていきましょう。
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