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経済キーワード【ワークシェアリング】(2ページ目)

失業対策として注目されているワークシェアリング。既に欧米では定着した制度ですが、今年は日本でも導入企業が増加しそうです。その意味、海外での実績、日本でも定着するかを解説します。

執筆者:石川 秀樹

2ページ 【海外の実績と日本への導入】

なお、海外では、欧米で導入が進んでいますが、中でも、オランダはワークシェアリングに最も成功した国と言われています。現在では失業率は1-2%という脅威の実績です。

では、このワークシェアリングは、日本でも成功するのでしょうか?まず、欧米には、就業時間という観念が明確です。ですから、労働時間を分け合うということができます。しかし、日本のように、サービス残業が日常茶飯事に起こる社会では、労働時間の観念が明確ではないので、まずは、分け合う労働時間を明確にすることから始める必要があります。

また、オランダには、フルタイムの社員とパートタイムの社員の差別を禁止する法律があります。このようにパートタイムでも待遇が悪くならないようなシステムを作らないと、なかなかパートタイムになろうという人は現れません。

他にも、ワークシェアリングを行なうためには、業務領域が明確に決まっている必要がありますが、日本では業務領域が曖昧であることが多く、これも問題となりそうです。

以上のように考えると、日本の社会でワークシェアリングが根付くには解決すべき問題が多いように思われます。政府(厚生労働省)、経営者団体(日経連)、労働組合組織(連合)の検討していますが、なかなか、意見はまとまっていません。


関連サイト
ワークシェアリングに関する調査研究報告書(厚生労働省)

ワークシェアリングは定着するか?(続・ワークシェアリング)忍び寄る雇用不安は本物か?あなたの業界の解雇危険度は?
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