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「災害用非常食」を会社に備えるとき

最近、大雨の被害や大地震による被害が発生しています。みなさんお勤めの会社は、そんなときの備えをしているでしょうか?今回は、災害用非常食その他ヘルメット等を会社で備えた場合の経理・税務をご紹介します。

執筆者:森 康博

先日、2007年7月16日新潟県中越沖地震が発生しましたが、「地震国」と呼ばれる日本に住む私たちにとって、「地震」は決して他人事ではないでしょう。

その他、温暖化のせいでしょうか、大雨による被害も今年は多発しており、みなさん個人レベルはもとより、会社レベルでも防災意識が高まってきているのではないでしょうか。

今回の震災を機に、会社で非常食セットや防災グッズの備蓄を考えているところもあるかと思います。会社で震災に備えるための非常食や備品を購入した場合の取扱いを、通常の物品を購入した場合の取扱いと比較しつつ、ご紹介していきましょう。

会社で通常、食料品や備品を購入すると?

関東地方
関東地方で大地震が発生した場合、相当数の帰宅困難者が発生すると言われています。
その面からも、災害関連用品の備蓄は検討する価値があることでしょう。
まず、通常食料品や備品を会社で購入した場合の取扱いを確認しましょう。

■ 食料品等の取扱い

食料品に限らず、経理の世界では購入した物品が経費として認められるには一定の要件が必要であると決められています。
それは「その物品を使用すること」
その物品を使わない限り経費として認められないのです。
たとえば、まとめ買いした切手も、使用すれば「通信費」などの経費となりますが、購入しただけで会社に置いてある状態では、「貯蔵品」として資産扱いとなります。

■ 備品の取扱い

備品も食料品と同様、使用してはじめて経費と出来ることとなります。

また、これらのものは基本的に一点あたりの取得価額が10万円未満(※)であれば使用時にいっぺんに経費と出来ますが、10万円以上のものについては「減価償却」といって使用可能期間に渡って経費とする必要があります。

原則どおりに考えると災害用とはいえ、消耗品や備品を使っていないのですから、どうやら購入時に経費とすることは出来ず、使うまでは貯蔵品等の資産として取り扱うと考えられそうです。

全社員分の非常食や備品を準備するとなると、その出費は大きいものになると考えられますから、使うまでは経費に出来ないとなると、これらの備蓄をするのにちょっと迷ってしまう会社も出てくることでしょう。

次ページで、実際の震災用非常食等の扱いをご紹介します!



※ 取得価額が10万円未満かどうかの判定ですが、その会社が「税込み経理」の場合は「税込み」で、「税抜き経理」の場合は「税抜き」で判定することになっています。
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