快適で健康的な暮らしを叶え、節約もできる「省エネリフォーム」予算別の始め方とは

家のリフォームを考えるとき、まずどこから始めますか?本当に暮らしやすい家をつくるために欠かせないのが、省エネ性能を上げるリフォーム。予算別にできる効果的なプランを、一級建築士で住宅リフォームコンサルタントののYuuさんが解説します。

提供:住宅金融支援機構

お話をうかがった方

尾間 紫/Yuu

All About『リフォーム』ガイド:尾間 紫/Yuu

本名・尾間紫(おまゆかり)/住宅リフォームコンサルタント、住宅リフォームガイド、一級建築士。 現場経験が豊富で、講演・執筆・監修・取材協力も多数。過去を繕うものではなくコレカラの新しい暮らしを創る「リライフのリフォーム」を提唱。本当に満足するリフォームのノウハウを伝えている。

家をリフォームするとき、後悔しないために

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家のリフォームといえば、どうしても見た目をきれいにしたり、古くなった設備のグレードアップをイメージしがちです。

Yuuさん(※以下敬称略)「リフォームというと、キッチンを新しくしたり、暮らしやすい間取りにしたりといったように、形を整えることに気を取られがちです。ですが、そればかりを考えてリフォームをしてしまうと、実際に住んでから後悔をするケースが少なくありません。

家の快適性を大きく左右するのが住宅性能です。築年数が古い家は、概して性能が低く、そのままでは、見た目はきれいになっても、夏暑く冬は寒い、結露が多い、光熱費が掛かるといったことになりがちです。

本当に住みここちのいい家にするために、ぜひ注目してほしいのが『省エネリフォーム』なんです。」

「省エネリフォーム」は、住んでみて初めて真価がわかるもの、というYuuさん。最近は、徐々に省エネへの意識が高まって、特に断熱の重要性は浸透してきているそうです。

Yuu「省エネリフォームをするメリットは、大きく分けて3つあります」

■より快適で、健康的になる。
一番のポイントは、夏や冬も快適に過ごせる家になること。ヒートショックや熱中症、寒さによる血圧上昇など、温度変化が原因となる健康リスクの予防、結露の解消やカビによるアレルギー対策などにもつながります。
■光熱費の節約ができる。
断熱性能を高めると、小さなエネルギーで冷暖房が効くようになるので、値上がりが気になる光熱費を節約できます。
■資産価値がアップする可能性がある。
2025年4月から、すべての新築住宅に「省エネ基準適合」が義務化されました。中古住宅でも省エネ性能の高い家は、価値を認められやすく、万一売却する際にもアピールになります。

悩みごとを起点にして、必要なリフォームを考える

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では、我が家のリフォームプランを考えるときは、どこからスタートすればいいのでしょうか。

Yuu「まずは、日々の具体的な悩みや不満に焦点を当ててみてください。家を変えるという発想ではなく、どう暮らしを変えたいかでプランを立てることです。これを私は“リライフのリフォーム”と呼んでいます。

例えばキッチンで、冬の朝に足元が冷えてつらいと感じたら、キッチン自体を新しくするより断熱をするほうが、暖かく快適になるでしょう。小さなことでも悩みを洗い出すと、何をリフォームすればいいかが見えてきます」

悩みを洗い出すときは「このくらいは我慢しよう」と諦めないことがコツ。暮らしにくさを解消するところから工事を決めていけば、結果的に満足できるリフォームができそうです。

費用対効果が高いのは「窓」を変えること

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Yuu「省エネリフォームのプランで、特にやってよかったと感じられる箇所は『窓』です。窓は家の中で熱の出入りが一番多い場所で、夏の冷房時には約7割もの流入出があるといわれています。

内窓をつけたり、断熱性能の高い窓に交換したりなどのリフォーム方法があり、窓のリフォームは比較的手軽にできて、工事が短時間で済むのが特徴です。体感温度が明らかに変わりますし、結露の抑制や防音効果もあります」

窓リフォームの他にも、メリットが大きく、注目しておくといいものはありますか?

Yuu「家庭で使うエネルギーのうち、大きな割合を占めているのが給湯です。給湯器をエコキュートやハイブリッド給湯器などの『高効率給湯器』へ交換すれば、光熱費の大幅削減に役立つだけでなく、国や自治体などで、省エネリフォームに対するさまざまな補助金制度が敷かれているので、上手に活用すればお得にリフォームをすることができます」

また費用負担が軽く、設置も簡単なものとしてLED電球への交換や、節水シャワーヘッドなど水栓金具の交換も挙げられるそう。自分で作業できるものもあり、積極的に取り入れたいリフォームです。

予算別で、省エネリフォームプランを組むなら

実際に省エネリフォームをするためには、どれくらいの費用を準備すればいいのでしょうか。予算別にお勧めのプランを教えてください。

【100万円まで】

Yuu「特に省エネ効果の高い、窓の工事を中心にします。マンションであれば全室の窓、戸建てならリビングや寝室など滞在時間の長い部屋の窓をリフォーム。予算が残れば給湯器や照明、水栓などの交換を組み合わせましょう」

【300~500万円】

Yuu「窓の断熱リフォームに加えて、天井や床にも断熱材をプラスして、家全体を包み込むように断熱すると、一層快適になります。住宅の“窓やドア”といった開口部から逃げ出す熱量は大きいので、玄関ドアを高断熱タイプに変えるのもおすすめです。

ただし、断熱リフォームは、同時に換気や気密、通気の検討も必要です。全体のバランスを見て計画を立てましょう。」

【1,000万円まで】

Yuu「500万円までのプランに加え、水まわりやインテリアを一新したり、間取りを変えたりといったリフォームにも手が届きます。省エネ性能をさらに上げるのなら、太陽光発電・蓄電池の設置も考えられます」

それぞれの予算ごとにできることがわかりました。省エネリフォームの快適さと、家を美しくする夢を両方手に入れるのであれば、目安として1,000万円程度が必要となりそうです。

1,000万円までに枠が広がる【グリーンリフォームローン】

予算別のリフォームプランを見てみると、やはり大きな費用がかかることは間違いありません。費用の捻出が難しいこともありそうですね。

Yuu「省エネリフォームに特化した住宅金融支援機構の【グリーンリフォームローン】の活用が選択肢に入ります。手元資金を残しつつ、省エネが実現できる貴重な選択肢です。ちなみに、融資額の半分は省エネ以外のリフォームにも活用できるのもうれしいポイントです」

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このローンは融資の手数料無料・無担保で保証人も不要なので、手軽に使うことができそうです。全期間固定金利で、金利の変動にストレスを感じることもありません。

また、2025年10月以降の申し込み分からは、融資の限度額が500万円から1,000万円に引き上げられることも決定しています。

Yuu「融資限度額の引き上げは、よくやってくれた!と思いましたね。予算別のリフォームプランでご紹介した通り、1,000万円があればほぼ理想の家づくりができますから。

この1本のローンで、快適に暮らすための省エネと、家を素敵にする両方のリフォーム費用が賄えます。築年数が古い家にお住まいの方、家のお悩みが多い方、いろいろな箇所を同時にリフォームしたい方などは、検討する価値があると思います」

【グリーンリフォームローン】を詳しく知りたい>>

省エネリフォームで、家族の幸せが長く続く

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Yuu「家の暮らしやすさと、人生の幸福度はリンクしているものです。せっかく費用をかけるのなら、心からやってよかったと思える“リライフのリフォーム”をぜひ目指してほしいですね。

建物の状態や家族の希望、準備できる予算に応じて、プロに相談するのもいいでしょう。省エネリフォームには、国の補助金や減税などの制度もありますから、上手に活用してください」

お得な国の支援と【グリーンリフォームローン】は、組み合わせて使うこともできます。一生のうちで、家で過ごす時間はとても長いもの。まとまった費用の負担を押さえながら、リフォームで家族の幸せが続く家づくりを叶えましょう。

【グリーンリフォームローン】を詳しく見る>>