在宅介護家庭は要チェック! 災害や停電時に安心して暮らすための備えとは

いつ発生してもおかしくない災害には、普段からの備えが不可欠。中でも在宅介護が必要な家庭は、命に関わりかねない困難が増えるため、防災対策をしっかりしておきたいですね。とはいえ、具体的にはどのようなことをすれば良いのでしょうか? All About『介護福祉士』ガイドの小山朝子さんに聞きました。

提供:株式会社Jackery Japan

お話をうかがった方

小山 朝子

All About『介護福祉士』ガイド:小山 朝子

介護ジャーナリスト、介護福祉士。20代から9年8か月にわたって祖母を介護。その実体験や介護現場の取材経験、さらには一介護職からの視点も踏まえ、各地で講演、執筆活動を展開する。テレビ・ラジオなど、メディアへの登場実績も多数。

在宅介護の家庭なら、自宅の防災対策もより念入りに

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災害発生時は、在宅介護が必要な人やその家族にも大きな困難が降りかかります。

小山さん(以下敬称略)「移動のとき、車いすや杖が必要な方は避難所に行くのも大変です。ましてや、要介護度が重度になると自力で動くことも困難なため、避難所へたどり着けない場合も。実際に避難所へ行けたとしても、病気で制限があれば食事の問題も出てきます。

一方で、在宅避難を選んでも、さまざまな問題があります。たとえば、持病の薬。通院や訪問診療ができないほどの災害だと、薬も供給されづらくなります。また、電源が必要な医療機器を使っている場合は、停電の問題もあります。人工呼吸器のような生命維持に使われる機器なら、それこそ生命に関わりますから」

こうした問題を考慮すると、防災対策をどれだけしていても、しすぎということはないようです。

小山「要介護度や持病の有無に加え、一人暮らしか家族と同居かなどでも、防災対策は変わってくるもの。個々が平時から意識して、災害発生時にどうすれば良いのかを考えておく必要があります。地域の社会福祉協議会(営利を目的としない民間組織)や民生委員(支援を必要とする住民と行政や専門機関をつなぐパイプ役)などにアドバイスをもらうのもいいでしょう」

災害への備えとして、在宅介護の家庭に必要なものって?

普段からしっかりと考えておきたい防災対策ですが、たとえばどんなものを用意しておけば良いのでしょうか? 小山さんに聞いたところ、要介護度や同居家族の有無など家庭によっても異なるとしながらも、以下のようなものを例に挙げてくれました。

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●水・食料

小山「ある調査では、高齢者施設のうち非常食の備蓄量は『3日分』と回答した割合が約半数を占めています。備蓄スペースの問題もありますが、3日分(できれば1週間分)ほどあるとよいでしょう」

●衛生用品

小山「要介護度が重く、自力で排せつするのが難しい人の場合は、介護用のオムツが必要になります。オムツの中に敷ける尿パッドを用意しておくと、頻繁に交換する手間も軽減できます。おむつなどを処分するためのゴミ袋や専用の消臭グッズも用意しておくと便利です。

また、陰部を清潔に保つ洗浄剤や洗浄用ボトルなども用意しておきたいところ。全身がふける大判のボディシートや、水を使わないドライシャンプーなどもあると重宝します。このほか、高齢者ならドライスキン対策のボディクリームや、入れ歯洗浄剤などもあると良いでしょう」

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●医薬品

小山「薬については、なじみの薬剤師さんや日頃から利用している薬局に前もって相談しておくのがいいと思います。おくすり手帳が命綱になる場合があるので、置き場所は家族全員で把握しておきましょう」

●その他

小山「安全対策のひとつとして、避難通路の確保や家具の転倒防止もあらかじめ済ませておきたいもの。要介護などの高齢者家庭に家具の転倒防止器具を設置する場合、自治体によっては助成金を交付してもらえるので、確認してみましょう」

停電時でも医療機器や電化製品を使い続けるために、電源の確保も必須!

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ここまででご紹介した以外にも、在宅介護をしている家庭にとって大切な備えがあります。それが、電源の確保。前述のお話にもあったように、電気を使う医療機器には重要なものが多くあるからです。

小山「先ほど挙げた人工呼吸器もそうですし、痰の吸引器や酸素供給装置、人工透析を行う装置など、電源が必要な医療機器はさまざま。多くの場合、バッテリーが内蔵されていたり、外付けの専用バッテリーが用意されていたりするので、停電になったらすぐに動作しなくなるわけではありません。でも、停電が長引くほど不安も募っていくので、電源の代わりに使えるポータブル電源などを備えておくと安心できることでしょう」

そう語る小山さんも、災害時に備えてポータブル電源を用意しているのだとか。

小山「以前、電線の不具合で、自宅のある地域一帯が停電になってしまったことがあるんです。発生時は夜でしたが、わが家の寝室は二階にあり、暗闇の中で階段の上り下りをするのは危険だったので、階段にライトをつけたポータブル電源を置いて照らすようにしました。このときは本当に、“ポータブル電源があって良かった!”と思いましたね。当時、何が起こったのかはスマートフォンで調べて知ったのですが、もしスマホの充電が切れていたら情報を確保することも難しかったことでしょう。そういった場合でも、ポータブル電源があれば安心です」

日常的に使用することで、非日常時にも安心感を

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いざというときに活躍してくれるポータブル電源ですが、小山さんによると「日常的に使うのがオススメ」なのだそう。

小山「たとえば、電源ボタンを押すまでにどのくらい時間がかかるのかは、体感しないとわからないもの。また、どんなに操作しやすいポータブル電源でも、ただでさえ慌てている災害時に初めて操作するのは大変に思うかもしれません。いざというときに戸惑わないためにも、実際に操作して慣れておくのが良いと思います」

日常時と非常時という2つのフェーズの境目をなくす考え方は“フェーズフリー”とも呼ばれ、これからの防災用品として注目を集めています。ポータブル電源をフェーズフリーとして使うなら、アウトドアやガレージでのDIY、家庭菜園、ガーデニングなど、電源のない場所での趣味に用いるのもおすすめです。

家の中での活用シーンも多く、スマートフォンやノートパソコンなどの充電はもちろん、ドライヤーやアイロン、掃除機など、さまざまな家電を直接つなげて使うことができます。また、大容量タイプならエアコンやオーブンレンジなど、高出力が必要な家電にも対応可能。ソーラーパネルとセットで使えば、太陽光でポータブル電源の充電が行えるので、昨今の電気代高騰への対策にもなります。

小山「災害時、体温調整機能が低下している高齢者は暑さ寒さで体調をくずしやすいので、電気毛布や扇風機などが使えれば助かることでしょう。また、最近はレトルトタイプの介護食品も多いですが、災害時でも電子レンジやお湯が使えれば温かい食事がいただけます。こういったものを、ポータブル電源を利用して日常で使いながら試してみると良いでしょう」

在宅介護家庭の備えにもオススメの『Jackery ポータブル電源 2000 New』

ポータブル電源にはさまざまな種類がありますが、今回、All Aboutがオススメするのは『Jackery ポータブル電源 2000 New』です。こちらは、2042Whの超大容量モデル。定格出力2200W(瞬間最大4400W)と高出力なので、ほぼすべての家電を動かすことができます。2000Whクラスの市場モデルより40%小さく、業界トップクラスの軽量化も実現。

Jackery ポータブル電源 2000 New 23万9800円(税込)

Jackery ポータブル電源 2000 New 23万9800円(税込)

また、UPS機能を搭載しているのも特徴です。電気の供給が止まっても20 ミリ秒 (0.02 秒) 未満で、電源供給をポータブル電源に自動で切り替えます。万が一の際に電源が止まると困る電化製品などは、日常的につないでおけば、停電時でも電源が落ちることはありません。

ラインナップには、ソーラーパネル『Jackery SolarSaga 200』1枚がセットになった『Jackery Solar Generator 2000 New ポータブル電源 セット』も用意しています。さらに、『Jackery ポータブル電源 2000 New』をはじめとした大容量モデルに対応する『Jackery ヒーティングキャリーバッグ』も新発売。断熱性に優れた素材と30Wのヒーターを採用し、-40℃の極寒環境でもポータブル電源を使用できるほか、高い防水性と防塵性を実現しています。

Jackery Solar Generator 2000 New ポータブル電源 セット 32万6400円(税込)

Jackery Solar Generator 2000 New ポータブル電源 セット 32万6400円(税込)

Jackery ヒーティングキャリーバッグ 1万3980円(税込)

Jackery ヒーティングキャリーバッグ 1万3980円(税込)


小山「『Jackery ポータブル電源 2000 New』は放電率が少なく、長持ちするリン酸鉄リチウムイオン電池を採用しています。聞けば、毎日使用しても10年間も使うことができるのだとか。大容量で、大型家電も気にせず使えるのもうれしいところですね。防災用品はデザインまで意識しているものが少ないと思いますが、この『Jackery ポータブル電源 2000 New』は明るくてポップな印象なので、好む人は多いのではないでしょうか」

Jackery独自開発、特許出願済みの最先端の低自然放電技術を搭載。100%の電力を1年間保管しても自然放電はわずか5%、電力損失を抑え長期的な安心と災害への備えを実現しています。

小山「スマートフォンをはじめ、電源が必要なものが増えている現代。いざ停電になれば、どれだけ不便かは誰もが想像できると思います。ましてや、医療機器を利用している在宅介護家庭の場合は、不便だけで片付けることはできません。なお、自治体によっては、こうした医療機器を使っている世帯を対象に、ポータブル電源購入の助成金を交付している場合があります。購入時の出費が気になっている方は、ぜひ調べてみてください」