窓ガラスの見直しで室内の暑さ・寒さ対策を。解決のカギは「エコガラス」!

夏になると暑さにぐったり、冬になると寒さに身を縮ませて過ごす……。そんな暮らしにウンザリしているなら、まずは窓ガラスを見直してみてはいかがでしょう? 暑さ・寒さの対策としてはもちろん、イヤな結露やカビも解消できるかも! そんな耳寄りなお話を、All About「住まいの性能・安全」ガイドの井上さんと、自宅で実践した方に教えてもらいました。

提供:板硝子協会

お話をうかがった方

井上 恵子

All About『住まいの性能・安全』ガイド:井上 恵子

マンション設計に携わった経験を数多く持つ一級建築士。性能評価申請に関わったマンションは20棟以上で、設計事務所設立後は子育ての経験を生かし、保育園の設計なども行う。戸建て・マンション購入セミナー講師、新聞へのコラム連載などでも活躍中。

我が家の「暑い」「寒い」は、窓ガラスが原因かも…?

住まいの暑さや寒さを左右する大きな要因は、窓ガラスにあることをご存知でしょうか? 井上さんによると、「家の中で、熱の出入りが最も大きいのが窓などの開口部」なのだそうです。

井上さん(以下敬称略)「何も対策していない窓の場合、夏の日中、冷房時に外気の熱が入る割合は73%、冬の暖房時に熱が逃げる割合は58%と言われています(※)。これではエアコンの効きが悪いだけでなく、光熱費も高くなってしまうもの。家全体の断熱はもちろん大切ですが、窓自体もしっかり対策したいですね」

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窓などの開口部は、家の中で最も多く熱が出入りする箇所。きちんと対策して、快適な住まいをつくりましょう。

実際に井上さんも、ご自宅の窓に内窓を取り付けたり、断熱性の高いガラスに交換したりといった窓リフォームを行っているのだとか。

暑がる人

クーラーをつけていても、家の中が暑い! そんなときは窓ガラスに注目

井上「窓の断熱を怠ると快適に過ごせないだけでなく、健康面にも影響を及ぼすと思います。たとえば、高齢者の方。年齢を重ねると暑さ・寒さを感じにくくなるため、暑い季節でも冷房を使わずに過ごすと熱中症にかかるリスクが高まります。また、冬はヒートショックも心配ですし、高齢者に限らず風邪も引きやすくなることも。寒いからと厚着をすると動きにくくなるので、子どもの成長に影響を及ぼす可能性もありますが、こうした心配ごとも、窓を見直すことで軽減できるでしょう」

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室内でもブランケットが必要なほど寒い…そんなときも窓ガラス

このほか、結露対策にも効果的なのが窓リフォーム。窓の断熱性を高めることで、冷たい外気が伝わりにくくなるため、「冬の朝、窓ガラスがビショビショに……」なんてお悩みの解消にも一役買ってくれますよ。

どんな窓ガラスを選べばいいの?>>

※財団法人建築環境・省エネルギー機構「住宅の省エネルギー基準早わかりガイド」より

ご存知ですか? 1年中快適な住まいをつくる「エコガラス」

「窓リフォームには3つの方法があります」と、井上さん。

井上「最も手軽なのが、サッシはそのままでガラスだけ交換する方法。施工時間は1箇所あたり30分〜60分ほどとなります。このほか、内窓の設置なら1箇所あたり60分程度、既存の窓枠に新たな窓枠をかぶせる方法は1箇所あたり2時間から半日程度。リフォームとしては比較的手軽にできるので、ぜひ実践していただきたいですね」

では、具体的にどのような窓ガラスを選べば良いのでしょうか? そんな疑問に対する答えのひとつが「エコガラス」。こちらは、複層ガラスの間に特殊な金属膜をコーティングしたLow-E複層ガラスで、AGC株式会社、日本板硝子株式会社、セントラル硝子株式会社の3社に共通する呼称です。

最たる特徴は、遮熱性と断熱性に優れていること。ガラスの間の金属膜は室内の明るさを保ちながら太陽の熱を反射し、日差しの暑さを1枚ガラスの約1/2に抑えるため、夏の暑さ対策として高い効果を発揮します。さらに、紫外線量も83%カットでき、日焼けやインテリアの色あせを妨げてくれるのもうれしいですね。一方、冬の寒さ対策に有効なのが、高い断熱性。「エコガラス」は1枚ガラスに比べて約3.5倍の断熱性能を発揮するため、室内の暖かい空気を室外に逃がしにくいんです。

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井上「この『エコガラス』は、2019年6月3日に申請を開始した“次世代住宅ポイント制度”にも対応しています。これは、一定の省エネ性やバリアフリー性能などを満たす住宅や、家事の負担を軽減する設備を導入した住宅の新築・リフォームをした方を対象に、さまざまな商品と交換できるポイントが発行される制度。窓に関する対象工事内容ごとのポイント数は、以下の図の通りとなります。交換できる商品が充実しており、LEDライトなどの省エネ性の高いアイテムや、ロボット掃除機のような家事ラク商品といったものも用意されているので、これを機に窓の見直しをするのもオススメですね」

「エコガラス」にして良かった! 1年中快適に過ごす人の声

住まいの暑さ・寒さが解消されるという「エコガラス」ですが、実際に暮らす人にはどう感じられるのでしょうか? 自宅の窓すべてを「エコガラス」に交換した、東京都のMさんに教えてもらいました。

エコガラスに交換した家

隣接住戸との境にバルコニーが配置されたM邸。開口部が多くて明るく開放的な一方で、外気の熱気や冷気が及ぼす影響は大きくもなります。

低層マンションの最西に位置するM邸は、東西南北の全方位に窓がある角住戸です。「春は東向きのコーナー窓から朝日が入り、夏は西日が強い。冬は北向きの風が吹いて、陽の光は一日中部屋の中に射し込みます」と、Mさん。開口部が多いため、夏は西日によって厳しい暑さがもたらされ、冬はすべての窓が結露するほどだったそうです。

そんな中、親しいご近所の方に「エコガラス」の情報を聞いたMさんは、試しに1箇所だけ導入することにしました。施工したのは、冬になると冷蔵庫のように冷え込む北側の部屋。窓際にヒーターを置いても寒く、カーテンを閉めてもその裏から冷気が流れ落ちるのがわかり、窓を背にしたイスに座ることはできなかったそうです。近所にあるガラスのプロショップに依頼し、この部屋の北側にある窓のガラスを「エコガラス」のひとつである真空ガラスに交換したMさんは、たった一晩でその効果を体感。施工の翌日には同ショップへ、もうひとつの西窓と隣室のガラス交換を依頼したのです。

エコガラスに交換した部屋

初めて「エコガラス」に交換した北側の部屋は、現在ゲストルーム。バルコニーに繋がる北向きの掃き出し窓と、西向きの腰高窓があります。

コーナーガラス交換

リビングのコーナーガラス窓は大きく、豊かな採光を実現。リフォーム工事の最終箇所で、ワイヤー入りFIXの真空ガラスを採用しています。


それから数年を経て、すべての窓を「エコガラス」に交換したというMさん。夏は「西日が和らいで、エアコンの効きも違います。廊下も均一に涼しくて、ムラがないですね」と語っています。また、冬はどの部屋も暖かくなり、エアコンがリビングの1台で間に合うようになったため、家中の扉を全部開けて一室空間にしているのだとか。

井上「施工翌日に追加でお願いするなんて、「エコガラス」の効果がよくわかるエピソードですね。よほど実感されたんでしょう。最終的にすべての窓を「エコガラス」に交換したとのことですが、すごく良い決断だと思います。家中を快適にしたいなら、すべての窓をリフォームするのが基本。優先順位は人それぞれなので、Mさんのように悩みが大きい部屋から、あるいは長い時間過ごす寝室やリビングから着手するのも良いですね。」

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暑さ・寒さに悩むなら、「エコガラス」で解消しよう!

窓ガラスを見直すことで、夏の暑さや冬の寒さが解消される上に、健康な暮らしにも繋がる……。そう聞いて、「エコガラス」を指名買いしたくなった方も多いのでは?

井上「仕事から疲れて帰ってきて、部屋の中がひどく暑かったり寒かったりすると、それだけで余計に疲れるし、健康を脅かすことにもなりかねません。帰宅してホッとできる家にしたいなら、窓の環境を整えることはとても大切。もちろん、家で過ごす時間が長い方にとっても同じですので、お悩みの場合は「エコガラス」もぜひ検討してみてください」

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