暑さ・寒さのストレスがない! 大きな窓でも快適な家のヒミツ

夏、冷房を付けているにも関わらず、窓からの日差しで部屋が暑い。一方、冬は暖房を付けているのになかなか暖まらず、毎朝結露にも悩まされている……。そんな窓にまつわる「暑さ」「寒さ」のお悩みを解決する方法とは? All About「リフォーム」ガイドのYuuさんに聞きました。

提供:板硝子協会

お話をうかがった方

Yuu

「リフォーム」ガイド:Yuu

住宅リフォームコンサルタント・住宅リフォームガイド、一級建築士。講演・監修・取材多数のガイドが、過去を繕うものではなく、未来の暮らしを創る「リライフのリフォーム」を提唱。本当に満足するリフォームのノウハウをお伝えしています。

その毎日のストレス、窓ガラスの性能が原因かも?

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夏の朝、窓から入る日差しが暑くて目が覚めたり、冬は毎朝、窓の結露を掃除しなくてはいけなかったり。こうしたお悩みは毎日のことだけに、積み重なるうちにストレスとなっていきます。そこで必要なのが、窓を見直すこと。

Yuuさん(以下敬称略)「夏の暑さも冬の寒さも、多くは窓から入ってきています。部屋の中で、熱の出入りする量が最も大きいのが窓。特に1枚ガラスの窓は遮熱性と断熱性が低いため、夏は暑く、冬には寒い部屋になってしまいます。この窓が弱点となって生じる住まいの困りごとは4つあり、1つめは居心地の悪い家になってしまうこと。夏は、部屋に西日が入り込んでとても暑くなったり、冬は、床暖房を付けても薄ら寒かったり。本来なら家はくつろげる場所であるはずなのに、快適性が低いことでストレスが溜まりやすくなってしまうんです」

このストレスを解消しようとして生じる2つめの困りごとが、「光熱費が跳ね上がること」だとか。

Yuu「暑いから、あるいは寒いからと冷暖房を強めたり、長時間使用したりすると、そのまま光熱費アップに繋がります。そして、3つめの問題は窓ガラスの結露。毎朝の掃除は手間ですし、垂れた水滴を放っておくと、フローリングやサッシなどの腐食やカビの要因となるので注意したいですね」

4つめは「健康に悪影響を及ぼす」ということ。国土交通省の発表によると、冬は起床時の室温が低いほど、血圧が高くなる傾向が見られたそうです(※)。さらに、高齢者ほど室温低下によって血圧の上昇が大きくなるため、室温が低くならないように注意することが大切なのだとか。

Yuu「起きたときの室温が、そこまで大きな影響を及ぼすなんて驚きですよね。こうした4つの困りごとも、先ほどお話ししたように遮熱性と断熱性を備えた窓ガラスに替えることで、大幅に解消できるんです」

遮熱性と断熱性を備えた窓ガラスって? >>

※出典:「断熱改修等による居住者の健康への影響調査」(国土交通省) (http://www.mlit.go.jp/common/001158517.pdf)

暮らしを快適にしてくれる窓ガラスと、その理由

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Yuuさんのお話にあった、「遮熱性と断熱性の高い窓ガラス」の一例として挙げられるのが「エコガラス」。2枚以上のガラスの間に特殊な金属膜をコーティングした「Low-E複層ガラス」のことで、高い遮熱性と断熱性を誇っています。

たとえば遮熱性なら、1枚ガラスに比べて日差しの暑さを約1/2におさえることが可能。紫外線カット率も約83%と非常に高いので、日焼けや色あせも抑えられます。一方、断熱性は1枚ガラスの約3.5倍! 室内外の熱の出入りを抑えてくれるので、夏の暑さも冬の寒さも大幅に軽減できるんです。

Yuu「ガラス1枚で住まいが快適になり、光熱費が下げられる上に、ガラス面の結露を防ぎ、健康に悪影響を及ぼす可能性が低くなる。先ほどお話しした困りごとをすべて解消できるなんて、本当にすごいことだと思います。カーテンやブラインドで日除けをしたり、内窓で断熱性能を上げることも可能ですが、「エコガラス」への交換なら、視界が遮られることもなく、今の窓のまま性能だけ向上させることができますよ。このように性能と手軽さの両面から見ても、ガラス交換だけで快適になる「エコガラス」はいいですよね」

そう聞くと気になるのが、「エコガラス」を使うことでどこまで快適になるか。次の項で実際にリフォームした人の声をご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

  「エコガラス」なら電気代も節約できる? >>

エコガラスが実現! 大きな窓でも「暑さ」「寒さ」に悩まない住まい

最初にご紹介する事例は、ご先祖から引き継いだテナントビルの最上階にあるSさんのお宅。高齢期を迎える夫婦の暮らしを支える住まいをつくるべく、建物の大規模修繕と合わせてフルリフォームを行ったそうです。目指したのは、「暖かくて明るい・段差がない・風通しがいい」家。そして、空を見るのが好きなので、バルコニーも大切にしたとか。

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もともと寝室と廊下、居間の一部だったというS邸リビング。キッチンの位置も大きく変わりました。

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リビングダイニングに設えた約1.5m幅のデッキテラスは、キッチン奥の寝室からもアクセスできます。


リフォーム前は、窓の結露が一番の困りごとだったと語るSさん。さらに西日もきつく、「遮光フィルムや遮光カーテンでもダメ。市販のすだれも使いましたが、強風時は不安」だったそうです。こうした経験から、当初より断熱性の向上を強く望んでいたとか。

リフォーム後のリビングの窓は北向き。光をたくさん取り込むため、下枠に立ち上がりがなく室内の床との段差もない大開口で、断熱性・遮熱性に優れた「エコガラス」を採用しています。さらに木製サッシを採用し、天井と壁に断熱材を追加したことで、より断熱性を向上。

こうしたリフォームの結果、エアコンの使い方が変わったと語るのは奥様です。冬は「気が付くと『つけていなくても暖かい』という感じ。一度つければ、その後に切ってもずっと暖かさが続きます」と、快適さを語ってくれました。

Yuu「日本人は古くより、庭の景色をとても大切にしてきました。現代の日本の住まいづくりにおいても、窓の位置や大きさにこだわる人は多いことでしょう。窓が大きいと景色がよく、光や風をたっぷり取り込むことができるので、とても気持ちのいい家になります。Sさんご夫婦も、住んでいてとても気持ちいいことでしょう。一方で、大開口は弱点にもなりがち。それを克服できているのは、「エコガラス」も大きく貢献していると思います」

S邸の事例を詳しく見る >>

補助金制度を利用した、お財布にもやさしいエコリフォーム

続いては、神奈川県のTさんの事例をご紹介しましょう。こちらのT邸は冬場、気温が0℃以下にもなる地域に建つ木造2階建。燃焼時に水分を発生する石油ファンヒーターを愛用していたことも手伝って、冬になると1日に何度も拭かなければならないほど結露に悩まされていたそうです。

この悩みからの解放を目指し、Tさんはインターネットで「結露を解消する工事」を検索して近所のガラス店に行き着きます。リフォームしたのは1階リビングとダイニングキッチン、そしてキッチン脇の納戸。リビングの南面にある掃き出し窓のほか、ダイニングキッチンにある2箇所の窓と奥の納戸にある窓のガラスを「エコガラス」に交換したそうです。

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落ち着いた住宅地内に建つ、1978年竣工のT邸。2008年にもリフォームを行ったものの、当時は「エコガラス」を知らなかったため、結露対策には及ばなかったそうです。

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リビングの掃き出し窓。既存の窓枠を活用し、ガラスだけを交換しています。一見、変化がないように見えますが、床や壁紙、カーテンの結露解消こそ窓の断熱性能アップの証!


リフォーム後の感想を、「窓の結露がなくなった! 朝、カーテンを開けてびっくりしました。全然違います」と満面の笑顔で語るTさん。工事にかかった費用は約28万円ですが、そのうちの5万円は補助金制度を利用してまかなえたそうです。聞けば、国土交通省の支援事業に申請したことで、リフォーム金額の2割弱の補助金を受け取れることになったのだとか。

Yuu「住宅の省エネ化に注力するのは国の方針で、リフォームにも省エネ政策がとられています。窓の省エネ化に大きく貢献する「エコガラス」は、もちろん、補助金の対象。国だけでなく、市町村でも補助金制度を設けていたりするので、使わないともったいないですよね。「エコガラス」リフォームを検討するなら、こうした知識があり、申請などの経験が豊富なリフォーム会社やガラス専門の業者に相談すると安心できると思います」

T邸の事例を詳しく見る >>

そう言って「ガラスには絶対妥協しない方がいい」と続けるYuuさん。

Yuu「リフォームの際、豪華なキッチンなどの設備を重視する人は多いもの。見た目が余り変わらないガラスは、家づくりの際のコストダウンの対象にされてしまうこともあります。でも、いくら素晴らしいキッチンを入れても、暑かったり寒かったりしたら料理をするのも辛くなってしまいますよね。毎日の暮らしに不可欠なのはやはり快適であることなので、見た目だけでなく中身のあるリフォームをしていただければと思います。性能が高い「エコガラス」のリフォームなら、ストレスなく暮らせる幸せな家がつくれるのではないでしょうか」

「エコガラス」公式サイト >>