おいしいだけじゃない! 身体にうれしい韓国食品のヒミツ
今やすっかりお馴染みの韓国食品ですが、実は美容と健康に良い成分が豊富に含まれているって、ご存知でしたか? そこで今回は、日本でよく見かける身近な食品にフォーカス! 身体に良いと言われる理由や、食卓への手軽な取り入れ方を、All About「食と健康」ガイドの南さんに教えてもらいました。
提供:韓国農水産食品流通公社
お話をうかがった方
NR・サプリメントアドバイザー、フードコーディネーター、エコ・クッキングナビゲーター、日本茶インストラクターなどの資格を保有。食と健康アドバイザーとして、毎日の健康管理に不可欠な食に関する情報を発信中。
乳酸菌たっぷりのキムチ。韓国産のおいしさの秘密は白菜にあった!
韓国の食べ物と聞いて、キムチを思い浮かべる人も多いことでしょう。シャキシャキした歯ごたえと、酸味と辛味、そして旨味の絶妙なバランスは、ごはんとの相性もピッタリ。韓国では、万能調味料としても不可欠なのだそうです。そんなキムチは「発酵することから、乳酸菌が増殖する食品」と南さん。
南さん(以下敬称略)「キムチなどのお漬物に含まれる乳酸菌は植物性。塩分などにも強く、生きたまま腸に届く菌もあります。乳酸菌は腸内に存在する悪玉菌の増殖を抑え、善玉菌を増やすことで、腸内環境の改善に役立つと考えられている細菌の総称です。腸内環境が整うと便通が良くなるのはもちろん、免疫機能も正常となります。これは、身体の免疫細胞の多くが腸に集中しているためで、アレルギーの抑制や、インフルエンザや風邪などの予防にも役立つのではないかと考えられています」
また、キムチは野菜が使われていることから、食物繊維も豊富なのだとか。
南「食物繊維は消化酵素で消化されにくいことから、腸を刺激して活発にし、血糖値の上昇を穏やかにするほか、血中コレステロールを低下させる、善玉菌のエサになって腸内環境を整える、有害物質を体外に排出するなどの作用があると考えられています。食物繊維も乳酸菌も、身体の要となる腸内環境を整える上で重要な役割を担う成分。キムチはこれらを一度に摂取できる、魅力的な食品ですね」
深さのある容器に入れられた発酵キムチ。「きちんと時間をかけて発酵したキムチは、ただ辛いだけでなく乳酸菌などの酸味や、熟成による旨味がまとまって、深い味わいになります。容器を見れば、その判断材料の一つとなる、ということですね」(南さん)
さらに注目したいのが、唐辛子の辛味成分であるカプサイシン。
南「カプサイシンには血行を促し、新陳代謝を高める働きがあります。これは、感覚神経に働きかけ、アドレナリンというホルモンの分泌を促進するから。このホルモンによってエネルギーの代謝が高まるため、脂肪を燃焼し、血行を促すと考えられています。ただし、唐辛子やキムチを食べれば痩せるというわけではなく、あくまでカプサイシンの機能性であるということ。また、胃液の分泌を高めて消化を促すほか、料理に塩分が少なくても満足感が得られるため、減塩効果も期待できると考えられています」
ちなみに、韓国産と国産のキムチでは、使用する白菜に大きな違いがあります。韓国では、白菜の用途はほとんどがキムチ。そのため、おいしいキムチをつくるための改良が重ねられており、小ぶりで水分が少なめの品種となっているのです。
また、容器の違いもわかりやすい特徴。平たいプラスチック容器で売られることが多い国産に対し、韓国産は回して開閉するタイプのフタが付いた深めの容器です。この理由は、韓国産キムチが保存中に発酵が進んでいくため。発酵によってガスが発生しても問題ないように、深さのある容器としているのだそうです。
昔のキムチは辛くなかったってホント? >>
ビタミンたっぷりのパプリカと、発酵食品のコチュジャンにも注目!
続いてご紹介する韓国食品はパプリカ。韓国産のパプリカは、日本国内で流通する量の約70%をも占めています。
南「赤・黄・オレンジなどのパプリカは、一般的な緑色のピーマンよりも完熟しているので甘みが強く、食べやすいのが特長です。ビタミンCやカリウムなどのほか、赤い色素のカロテン、カプサンチンが含まれているのもポイント。これらの色素成分は抗酸化作用が強く、トマトの色素成分リコピン以上と言われています」
リコピンの抗酸化作用はビタミンEの100倍以上と言われていますが、それよりも多いとは! アンチエイジングを心掛けているなら、ぜひ積極的に食べたいですね。なお、韓国産のパプリカは、トレーサビリティが厳しく管理されているのも特徴。生産農家と輸出業者が判別できるよう、“生産履歴情報ID”が与えられており、そのまま日本へと届けられています。
南「日本同様、トレーサビリティの管理システムができていることは大変安心感が持てるもの。どのように栽培されているのかが見えると、やはり信頼につながりますね」
そしてもうひとつ、韓国料理に欠かせない調味料のコチュジャンについてもご紹介しましょう。
南「もち米、麹、赤唐辛子が材料で、糖質、赤唐辛子のカプサイシンなどを含むのがコチュジャン。また、麹によって発酵しているので、ビタミンB群も増えていると思います。コチュジャンは調味料なので、食べて健康を左右するほどたくさん摂るわけにはいきませんが、甘みと辛味のバランスが良いので、料理にも取り入れやすいと思います」
熟成を重ねるにつれ、味がまろやかになって旨味も増すというコチュジャン。韓国産のものはプラスチック製の赤い容器が使われることが多いので、本場の味を求める方は、ぜひ探してみてください。
丁寧に作られ、日本へとやって来る韓国産パプリカ >>
カンタン&おいしい! 韓国食品を上手に取り入れるコツ
健康と美容を気遣うなら、食生活にぜひとも取り入れたい韓国食品。たとえば、どのように使うのがよいでしょうか?
南「まずはキムチ。植物性乳酸菌を摂りたいなら、加熱せずそのまま食べる方が良いです。しかし、死滅した乳酸菌も善玉菌のエサとなりますので、役に立たないわけではありません。野菜などを食べることにも繋がるので、生で、あるいは加熱してと、幅広い食べ方を楽しめば良いと思います。なお、ビタミンB群など水溶性の栄養素は水分に出てしまうので、汁ごと食べるとムダがありません。旨味があるので、韓国では万能調味料としても活用されているのにならい、調味料的な感覚で煮込み料理や野菜炒めなどに使うと味わいが深まります」
では、パプリカは?
南「ビタミンCは加熱しない方が損失は少ないですが、カロテンは脂溶性なので加熱したり、油と一緒に摂ったりすることで吸収が良くなります。やはり偏ることなく、生で食べたり、加熱したりと、さまざまな食べ方をすることが、栄養成分をムダなく摂れるのでオススメです。ピーマンのような苦味が少なく、フルーツのような甘みがあるので、子供も食べやすいのが特徴。彩りも美しいので、カレーやパエリアなどのごはん料理、ラタトゥイユといった煮込みのほか、フルーツ感覚でゼリーやシャーベット、焼き菓子などのスイーツにも使ったりすると良いでしょう」
最後に、コチュジャンの使い方を聞いてみましょう。
南「中国料理の豆板醤と違って、辛味がありながらもち米と麹の甘みがあり、風味が良いので使いやすいですね。肉料理のもみダレに混ぜたり、炒め物や煮込み料理のアクセントに加えたり、野菜と合わせてデイップのソースに混ぜたりするほか、私はよく冷麺のタレなどにも混ぜて使っています」
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毎日の食卓に、韓国食品を取り入れよう!
普段、何気なく口にしている韓国食品ですが、さまざまな活用方法があるのですね。これからは、ますます身近なものとなりそうです。ちなみに、南さんによると「韓国から日本へと伝わったと思われる料理は多い」のだとか。
南「韓国には、中国とは違う形で発展した薬食同源 “韓方” の素晴らしい食文化があるもの。私もぜひ、本場の韓国料理を学んでみたいと思っています。日本料理にも通じることですが、五味五色五法で調理することで、幅広い食品から、栄養の偏りなく食べられる献立になるのではないでしょうか? 食べ物が体を作る。韓国女性の美しさは、食生活も理由のひとつだと思います」
身体に良い成分を豊富に含み、おいしくいただける韓国食品。今回、ご紹介したのはキムチ、パプリカ、コチュジャンの3品目ですが、乳酸菌を多く含むマッコリや調味料のジャン類なども、日本に多く流通している食品です。ぜひ手に取って、毎日の食卓に取り入れてみては?