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宇都宮線、普通列車グリーン車の同乗体験ルポ スイカを電子チケットとして使う

JR東日本の湘南新宿線、宇都宮線、高崎線では10月16日から普通列車グリーン車のグリーン券をSuicaで購入すれば、車内改札も省略されて便利になるサービスが始まります。その模様をルポしました。

岩田 昭男

執筆者:岩田 昭男

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電子チケット方式で車内改札を簡素化

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客席の上部にSuica読取機にスイカをタッチします。
「少しでも多くのお客様に快適な通勤や旅行をしていただきたいと思い、グリーン券をSuicaで購入された方には、車内改札を省略することにしました」(JR東日本担当者)

JR東日本では、10月16日のダイヤ改正にあわせて、首都圏を走る湘南新宿線、宇都宮線、高崎線で普通列車にグリーン車2両を導入。それとともにSuicaでグリーン券を購入するシステムを作り、電子チケット方式で車内改札を省くことに成功しました。グリーン車は自由席なので、これまでは改札が必要でしたが、Suicaの導入で、客席上部のランプで着席、空席が簡単に判別できるようになったために改札が不要になったものです。


専用券売機でグリーン券情報を上書き!

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専用券売機で、グリーン券を購入します。
10月12日、この新しいサービスを実体験しようと、朝9時半に大宮駅に行き、試乗車に乗ることにしました。
まず、ホームのSuica専用券売機で、大宮?小山間のグリーン券を購入しました。券売機はSuicaの残額で購入する仕組みで原則として現金は使えません。そこで私は手持ちのSuicaを使いその残額で買いました。

グリーン券を購入するといっても新しい券がでてくるわけではありません。Suicaにグリーン券情報が上書きされるのです。


赤いランプが緑色に変わった!

そのSuicaをもっていよいよ電車に乗り込みます。ホームに入ってきた普通電車グリーン車は二階建てのスマートなつくりでした。私は一階席に乗り込みました。気に入った窓際の席を選びました。グリーン車は自由席ですから、どこに座ってもよいのです。

客席の上部にSuica読取機がありました。まずはそれにタッチします。すると、それまで赤かったランプが緑色に変わり着席の合図になりました。私のグリーン券情報がSuicaから読取機に流れ、「この人はグリーン席に座る権利をもっている」と認証が行われたわけです。私はそれを確認してからどっかりと座りました。

グリーンアテンダントサービスでリッチさ満喫!

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グリーン車Suicaの利用客には、特別にアテンダントがつきます。
席に着くと電車はすぐに発車しました。大宮の街を抜けると、秋の深い田園風景が広がっていました。すると、しばらくして、飲み物や新聞などの販売メニューをもった若くてきれいな女性がやってきました。グリーン車Suicaの利用客に特別にサービスをしてくれるグリーンアテンダントの女性でした。これにはリッチな気分になりました。


席を換わるのも自由、電車を乗り継ぐのも自由!

それからSuicaをいろいろと試してみることにしました。自由席ですから、席は自由に変えられます。幸い乗客が少なかったので、何度か変わってみました。変更は簡単で、上部の読取機にSuicaでタッチするだけです。最初に座っていた席の読取機の色を(緑色→赤色)に変えてから、新しい席の色を変更(赤色→緑色)すればいいのです。

また、グリーン車を乗り継ぐ際にも最初の電車の座席の読取機の色を赤色に変えてから、次に乗り継ぐ電車に乗って、緑色に変えればよいのです。

寝入っていても改札で起こされることはない!

しかし、何よりこのシステムのよいところは、車内改札が省略され、通勤途中でぐっすり寝入っているところを無理に起こされることがなくなったことでしょう。車掌は座席上部のランプの色を確認しながら、緑色に光っている客席は「認証済」として声をかけないようにしてくれます。

こうしたやさしい心遣いは仕事に疲れた通勤客には大歓迎でしょう。さらにSuicaの可能性としてもこうした電子チケット的な使い方は新しい分野といえます。2005年後半には、携帯電話にSuica情報の入ったモバイルスイカが登場する予定ですが、それを使っても利用できるといいますから、これも楽しみです。

Suicaに望むことは?

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スイカの今後の展開に、今後も期待したいですね。
電車は、50分ほどで小山駅に到着しました。目的地に着くと緑色のランプは自動的に赤色のランプに変わりました。これで私のグリーン券のバリューがなくなったというわけです。

グリーン車Suicaシステムを利用して思ったことがありました。まず、券売機で購入する際にSuicaの残額から払うと少し不安になりました。今のSuicaでは見た目では残額がわからず、券売機に差し込んで初めて確認できます。ですから、いざ利用しようとしてお金が足りなくなることがあります。こうした不安を解消するためには日頃から多めにチャージしておくことが必要でしょう。

それよりも早くオートチャージ機能をつけてほしいと思ったものです。オートチャージなら使い方さえしっかりしていれば、お金が足りなくて困ることはなくなります。また、座席確認にSuicaを使うだけでなく、アテンダントの販売サービスの物品購入にSuicaが使えればより便利と思いました。

いずれにしろ、IC乗車券として出発したSuicaはさまざまな分野で多様な使われ方をしています。その可能性は今後も大きなものがあります。全く妖怪のようなカードだと実感した次第です。

<関連サイト>
JR東日本:プレスリリース:普通列車グリーン車 「グリーン車Suicaシステム」を導入
target="_blank">グリーン車Suicaシステム
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