クレジットカード/クレジットカード関連情報

統合・再編が進むクレジット&ローン業界の最新地図! 2004年クレジットカード業界地図

メガバンクを中心にクレジットカード業界再編の動きが活発化しています。以前から、業界再編には強い関心がありますので、今後の行方も踏まえて、最新状況をまとめてみました。どうぞご覧ください。

岩田 昭男

執筆者:岩田 昭男

クレジットカードガイド

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本当のサバイバル戦争が勃発している!

クレジット業界地図2004年12月
※クリックするとダウンロードできます
私は「クレジットカードサバイバル戦争」という本を10年前に書きました。そのころはまだ平和なもので大蔵省の護送船団もしっかり機能していましたから、サバイバルも看板だけでした。

しかし、いまは、平和どころではありません。本当にサバイバル戦争が勃発しています。大蔵省の護送船団もなくなり外資系もどんどん入ってきています。このサバイバルを最も象徴するのが、メガバンクの統合にあわせて始まった大小カード会社の再編でしょう。

分割払い解禁がきっかけになっている!

メガバンクは、企業向け貸し付けが伸び悩む中、個人向け取引にシフトして、生き残りを図ろうとしています。消費者の生活に密着したクレジットカードは、欠かせないツールと重視しているのです。合併・提携で規模の拡大を図るとともに、魅力的なカードを作り出して競争を勝ち抜こうとしています。

こうした流れの源流には、2004年4月から都市銀行が直接発行するクレジットカードでも分割払いを扱えるようになったことがあります。いよいよ銀行がカード事業に本腰を入れて乗り出してきたといえます。

どこに行くのか?UFJグループ!

UFJ、三井住友、三菱東京、みずほの4大グループが、3大グループへと再編・統合されますが、その過程で系列カード会社の多くも淘汰されます。とくに台風の目となっているのがこれから統合される運命にあるUFJグループです。

UFJグループには、UFJカード(会員数871万人)、セントラルファイナンスといったカード会社がありますが、今度NICOS(会員数1235万人)も加わり、来年早々にはUFJ・NICOSカードとして生まれ変わる予定でした。しかし、UFJグループ自体が三菱東京グループに統合されることになったために、さらに大規模なカード会社の統合に発展することになりました。

来年10月には、UFJ、NICOS、それに三菱東京グループの基幹カード会社、DCカード(会員数664万人)をあわせた国内最大級のメガカード会社が誕生する予定です。その会員数は、なんと、3000万人近くになります。

さらに、将来的には、UFJと関係の深いJCB(会員数4800万人)とも提携してビジネス展開するといいますから、このグループが日本のカード業界を席巻することになるでしょう。

DCキャッシュワンを使ってサラ金利用者をチェック!

そうした大攻勢の一歩として、三菱東京グループはグループ内でカード事業の統合を進めています。これまでそれぞれ別個に行っていた審査・与信部門を傘下のDCキャッシュワンに一本化して消費者金融で培ったノウハウを生かして審査能力の強化を図ろうとしています。

同社はこの前まで東京三菱キャッシュワンといいました。アコムと東京三菱銀行の出資で生まれた新型の消費者金融業者ですが、消費者金融の情報センターである「全国信用情報センター」にアクセスできるため、そのデータを使って、これからは消費者金融の多重債務者をあぶりだして、貸倒比率を下げることを狙っています。

三井住友グループの反撃がみもの?

これに対してライバルの三井住友グループは、黙ってはいないでしょう。現在は、三井住友カード(会員数1276万人)、クオーク(会員数288万人)、それにプロミスという陣営ですが、UFJグループからモビットを取り返すことを手始めに、他の信販系、流通系カード会社の取り込みを本格化させると思われます。

カード会社との提携で時間を買ったといわれるみずほ

三番目のみずほグループは、関係の深いクレディセゾン(会員数1587万人)との全面提携を発表。カード発行はクレディセゾンですべてまとめ、UCカード(会員数890万人)は加盟店開拓やバックヤード部門を担当するといったグループ内での棲み分けを明確に打ち出しました。これはカード会社の合併による時間のロスを避けるためです。

交通系、通信系が間隙を縫って漁夫の利を狙う?

その一方で、交通系や通信系カードが力をつけてきています。JR東日本のSuicaやNTTドコモの携帯電話で決済のできる「おサイフケータイ」がその代表ですが、これからは、日常生活で便利に利用できるこうした電子マネーが優位に立つとみる向きもあります。メガバンクとすれば、こうした業者をいかに取り込むかが勝負の分かれ目になるでしょう。

また、より便利なシステム、サービスを打ち出す新規参入者が現れれば、業界地図は一変するかもしれません。当分、目が離せない状況がつづきます。
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