イールド・カーブは金利の期間構造を表す
資産運用において、将来の金利がどう変化するのか、デフレはいつ頃終息して、その後の物価上昇率はどう動くかなど、将来の経済情勢を予測することは重要ですが、ことは簡単ではありません。日本を代表するシンクタンクであってもその正確な予測は困難です。インフレが発生するなら資産ポートフォリオをインフレに強い資産にシフトさせておく必要がありますが、さまざまな情報を整理して自分なりに想定するしかありません。
同様に、将来の金利予測も、住宅ローンを借り入れる際に固定金利にするか変動金利にするか、または資産運用する際に固定金利商品にするか変動金利商品にするか、というような意思決定に影響を与えます。
イールド・カーブとは金利の期間構造を表しています。X軸を期間(残存期間)、Y軸を利回りとして、期間に対応する利回りをプロットしてゆき、その点をつなぎ合わせて描かれますので、利回り曲線とも呼ばれます。
順イールドと逆イールド
日本では「短期金利<中期金利<長期金利」が常識となっています。この状態を「順イールド」といいます。貸し出し期間中の信用リスクにさらされている期間が長いほど、その危険負担を借り手にしてもらうために、金利は高くなるのだと言われています。日本においてもバブル経済末期においては「短期金利>中期金利>長期金利」という「逆イールド」になったことがあります。金利が高くなりすぎて、近い将来金利は下がっていくという認識が広がっていたためです。