Creatorでは、マウスを使って部品をページに配置しデザインをすることができます。 |
画面表示はマウスでデザインが基本
新たなプロジェクトを作成すると、画面表示のためのJSPファイルとロジック設計をするためのJavaクラス、それらを利用する上で必要な設定ファイルがすべて自動的に作成されます。このあらかじめ用意されたページにデザインをし、Javaクラスにそう神事の処理を記述すれば、それでWebアプリケーションは作れてしまうのです。
画面のデザインは、JSPファイルを開いて行います。これは左側に表示される部品類を選択し、マウスでドラッグしていくだけで簡単にレイアウトを作成しておくことが可能です。非常に面白いのは、Webのページデザインであるというのに、すべて絶対座標でデザインされるという点です。Webのページを作ったことがあるならわかるでしょうが、テキストやフィールド、ボタンといったものは「順番に並べられるだけ」という感じになってしまいがちです。この位置にこの部品を表示する、といったデザインはなかなか難しいものです。が、Creatorではすべてのコンポーネントはスタイルシートを駆使して、配置した位置に正しく表示されるようになっています。
ボタン類は、デザイン後にダブルクリックすると、自動的に対応するJavaクラスのソースコードが開かれ、そのボタンをクリックしたときに実行されるメソッドが生成されます。ここに必要な情報を記述すれば、それだけで処理が作成できてしまいます。また、JSPのページに対応するクラスだけでなく、初期状態でアプリケーションBeanクラス、セッションBeanクラスも用意されており、アプリケーション全体やセッションごとに必要な処理や情報をこれらに用意しておくこともできます。「とにかく必要最低限の作業で開発をする」ということを徹底して考えている、といえるでしょう。
ソースコードエディタにはさまざまな入力支援機能が組み込まれています。 |
Creatorはどんな用途に向いている?
ざっとですが、Creatorがどんなソフトウェアか、その雰囲気程度のものはお伝えできたことと思います。簡単とはいえ、開発環境ですから、一通り説明するには単行本一冊ほどのページが必要になってしまいます。とりあえず「ダウンロードしてみようかな?」と思うきっかけになれば、ここでは十分だろうと思っています。この種のソフトは、長い説明をだらだらと読むより、とにかくダウンロードしてみるほうがはるかによくわかりますからね!
では、Creatorには欠点はないのか? どういう使い方をすると便利なのか? そうした点について、最後に簡単にまとめてみましょう。
●汎用的な開発ツールではない!
まず、このことを肝に銘じておく必要があります。Creatorでは、一般的なWebアプリケーションは作れません。専用のスタイルに基づいたものだけしかサポートしていないのです。また、JSF以外のライブラリなどにも対応していませんから、「CreatorでStrutsを使いたい」なんてことも考えないほうが無難です。
●従来のJSP/サーブレットの知識は通用しない!
実は、このことがもっとも重要でしょう。Creatorでは、JSPはJSF利用のための専用タグを使って設計されます。またロジック部分を担当するクラスもJSFのライブラリを利用して動くため、通常のサーブレットとはまったく違うものになります。つまり、Creatorでは「普通のJSPやサーブレットは使えない」のです。いえ、使うことも可能ですが、その場合はCreatorの便利な機能はすべて利用をあきらめるしかありません。
●専用の知識を身につけないといけない
JSF専用ということに関連しますが、Creatorに用意されている機能は、すべて独自性の高いものばかりです。入力情報のバリデートやエラーメッセージの表示などといった一般的なことでさえ、すべてJSFのライブラリに用意された機能を理解して使わなければいけません。ほとんどのことは、覚えなおす必要があるでしょう。
要するに、一般的なWeb開発環境とはまったく別物である、という点をよく理解しておく必要がある、ということです。その上で「それでもOKだ」ということであれば、Creatorはすばらしいツールとして役立ってくれます。少なくとも、従来のWeb開発環境とは比較にならないほど簡単に開発ができるのは確かなのですから。
ともかく、一度実際に使ってみましょう。なにしろタダなんですから! ね?
関連サイト
Sun Developer Network
SDCのSun Java Studio Creatorサイト