瑞穂町のシクラメン街道
シクラメンは開花までに1年あまりを必要とする、手間のかかる花だそうだ |
街角の花屋さんを、ポインセチアやシクラメンが彩る季節になった。このシクラメン、東京を代表する鉢花であることをご存じだろうか。なんと、年間30万鉢が温室から出荷されているという。
特に西多摩エリアの瑞穂町は都内ナンバーワンで、岩蔵街道沿いには温室が並び、別名<シクラメン街道>と呼ばれているほどなのだ。
うれしいことに、11月からクリスマスにかけてのこの時期は、私たちも、咲き誇るたくさんの鉢の中から、お気に入りを直接買うことができる。
瑞穂町は新宿駅からJR中央線~八高線乗り継ぎで、およそ1時間。
車があれば、さらに便利なはず。
近くに横田基地があるとは言え、採れたての野菜も売っているし、本当にのぞかなところだ。町のホームページを見ると「瑞穂の方言」
なんてコーナーもあり、なかなか興味深い。
●問:瑞穂町産業振興課 042-557-7630
●瑞穂町公式サイト>見どころ
http://www.town.mizuho.tokyo.jp/index.htm
大田区馬込でマイシクラメンを選ぼう
長く、味わいのある馬込の坂 |
一方、23区内にもシクラメン農家がある。
それが大田区にある<馬込シクラメン園>だ。
都営浅草線の「馬込駅」から5分くらい。馬込九十九谷などと言われるけれど、まぁこのあたりも長く立派な坂が多い。あそこの和菓子屋さん(蒼風堂)に貼ってある、馬込の坂っていうお菓子を帰りに買っていこうかなぁ、などと思いながら歩いていくと、新幹線のガードが見えてくる。えっこんなところに?と少々不安になりながら歩いていくと、おおっ看板が。
温室には花・花・花。お気に入りは?と言われても、迷います! |
高低差のある敷地には、温室が一つ、二つ・・・いくつあるだろう。そしてどこも赤やピンクのシクラメンでいっぱいだ。一言でシクラメンと言ってもここだけで30品種およそ1万鉢があるんだとか!
まさかこんなに目を見張るほどとは、正直言って思わなかった。
その中には、珍しい原種などもあって、見て歩くだけでも、シクラメンのイメージが深まること間違いなし。
こちらも12月末まで、直接買うことができるし、プレゼント用の発送も可能。また、来園できない人のために、代金引換などを使った発送サービスも行われている。
とは言え、足を運べるなら、ぜひ私と相性ぴったりのマイシクラメンを選びたいものだ。
小春日和の日、温室の間の道。 |
このほか、練馬区もねりまの名品21にシクラメンが選ばれているほど。JAあおばの直売所や、農家でシクラメンを販売している。
●馬込シクラメン園
TEL: 03-3771-5901
URL:http://www1.ocn.ne.jp/~syclamen/
●ねりまの名品21
TEL: 03-3993-1111(練馬区役所商工観光課)
URL: http://www.city.nerima.tokyo.jp/kanko/meihin/index.html
香るようになったシクラメン
小椋桂さん作詞・作曲「シクラメンのかほり」という歌をご存じだろうか。布施明さんが歌い、レコード大賞も獲得した大ヒットである。
この歌がきっかけになって進んだのが、<香りシクラメン>の研究だ。というのも、そもそもシクラメンとは、そんなに香り高い花ではなかったんだとか。ところが、研究によって<香りシクラメン>が誕生、知名度も急上昇。東京都の農林総合試験研究センターでも品種改良が進められており、甘い香りの<さわや香ミディ>とグリーンフローラルな<おだや香>の2種類に注目が集まっている。
23区内では、まだ取扱が江戸川区の真利子農園さん他に限られているようだが、近所の花屋さんをのぞいたら、香りシクラメンに出会える日も近いかもしれませんね!
東京の農業と香りシクラメンについては
●東京都産業労働局農林水産部
●東京都農林総合試験研究センター