駅弁の包装紙(掛け紙)を保存しておくと厖大なコレクションになってしまった |
「駅弁」といっても、全国には実に様々な種類がある。大きな駅の売店なら、どれを選んだらよいか迷うかもしれない。そこで、本稿では、数ある駅弁の中から、有名な駅弁、オススメの駅弁、話題の駅弁などを紹介してみよう。
有名駅弁の中のこだわり駅弁、復古だるま弁当
白いだるまは、何だか威厳がありそうで食べていても襟を正してしまいそうだ |
しかし、いつも同じ弁当では飽きがくるかもしれない。そんな「だるま弁当」ファンにオススメなのが復古だるま弁当だ。普通のだるま弁当より400円高い1300円で、白い陶器のダルマが豪華だ。値段が張るだけあって、同じような山菜弁当とはいえ、具もリッチで牛肉のしぐれ煮が付いて差をつけている。数量限定で原則高崎駅売店のみの販売だが、いつか夕方に通りかかったときにはまだ入手できたから、幻の弁当というほどレアなものでもなさそうだ。
ほかのバージョンでは、ハローキティのだるま弁当がある。味はともかく、キティちゃんだるまの容器は可愛すぎて、大のおとなが一人で買うのは気がひけそうだ。
人気ゆえに売り切れが多く入手困難な「元気甲斐」
掛け紙(包装紙)のイラストも楽しい人気駅弁「元気甲斐」 |
二段重ねの駅弁は胡桃入り鳥の炊き込みご飯と、ぜんまいと揚げの胡麻酢合えなどのお惣菜、栗しめじ蓮根入りのおこわに、鳥の柚子味噌合えなど贅沢だ。ネーミングも「元気かい?」と甲斐の国を引っ掛けたもので親しみが持てる。小淵沢で乗り換えて小海線の清里や野辺山へ行くときはぜひゲットしたい。
小淵沢以外では蓼科への玄関口・茅野や新宿でも売っているとの情報がある。いずれにせよ人気駅弁であるから売り切れも多く、それなりの覚悟を持って旅の計画を立てるのがいいと思う。
やはり美味しい牛肉弁当
牛肉道場 |
牛肉どまん中 |
紀勢本線・松阪(三重県)には元祖・牛肉弁当がある。1260円と値段も手頃ながら、だしの滲みこんだ味わいと肉の柔らかさは列車の中で食べるには贅沢だ。この駅弁を私は松阪ではなく、松阪を通る紀伊勝浦発の特急「南紀」の車内で購入した。しかし、さらに上があり、「牛肉弁当御膳」は2630円から5250円まで3類あって豪華だ。だが、これで驚いてはならない。もっと上があり、極上松阪牛ヒレ牛肉弁当は何と10500円(税込み)だ。
手頃な値段の弁当であっても、牛肉は柔らかくてとろけるような味わいだ |
仙台名物牛タンは駅弁でも味わえる。質素な中味だが、列車内で暖かい駅弁が食べられるのは嬉しいことだ |
海の幸が豊かな北海道の名物弁当
遠軽駅の「かにめし」は特急列車内で注文して買った |
厚岸かきめしの味わいは絶品だ |
カニ弁当も各種ある。根室花咲かにめし、日高本線静内豪快たらば蟹弁当、など。個人的に思い出に残っているのは、石北本線遠軽のかにめしだ。特急オホーツクの車内で注文し、遠軽駅停車中に積み込まれた出来立てのものを係員が届けてくれ車内で美味しく食べることができた。JR北海道の特急列車では、このような注文サービスを行っているので、車内の案内パンフをよく見ておくと旅の楽しみが増える。
味わい深く再度食べてみたくなったのが、根室本線厚岸かきめしだ。かきとご飯の混ざり具合が何とも言えず美味で忘れられなかったのだが、道東の厚岸はあまりにも遠い。しかし、駅弁大会で見つけ、再び口にするとができたのであった。
イベント列車の弁当
SL弁当はSL列車の数だけあるといってもいいくらい沢山ある |
夕陽がきれいな日本海。米どころを走るだけあって、ご飯が特に美味しい |
金子みすゞの詩にイラスト、絶景ポイントなどが記された可愛い掛け紙に包まれた「みすゞ潮彩」弁当 |
イベント列車きらきらうえつ弁当、ゆふいんの森、みすゞ潮彩弁当などもご当地の名産品がちりばめられ、中々美味しい。
東京駅で東北の名物弁当が買える
なかなか忙しくて旅行ができない、あの駅弁をもう一度食べてみたいという人へ。ご当地へ行かなくても駅弁が買える場所があるのをご存知だろうか。各地のデパートやスーパーで時折行われる駅弁大会もいいが、毎日やっているわけではない。大間まぐろは、絶品だ。これが駅弁で食べられるとは何と贅沢なことだろう |
私もここで八戸駅弁の大間のマグロづけ炙り丼を買って帰ったことがある。あの大間のマグロが駅弁で、しかも東京で食べられるなんて夢のような話だった。
駅弁に関しては、種類も多く話題は尽きないが、スペースの関係で今回はこのあたりで終わりにしよう。