防災/防災関連情報

中国・四川大地震の教訓

中国・四川大地震は歴史に残る大災害として報道されました。チベットからのプレートの圧力によってもたらされたこの地震は、何か象徴的なものとも思えてきます。

和田 隆昌

和田 隆昌

防災 ガイド

災害危機管理アドバイザー。感染症で生死をさまよった経験から「防災士」資格を取り、自治体や企業の災害対策コンテンツを作成。専門誌編集長を歴任。アウトドア、サバイバル術も得意。2020年6月9日発売中後年のための『読む防災』(ワニブックス)他、講演会、各種セミナー(リモート可)TVなどマスコミ出演多数。

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中国・四川省で2008年5月12日に発生した大地震のことは、誰しもご存知でしょう。死傷者数は約6万9000人、行方不明者数は約1万8000人といわれています。M6クラスの余震による建物の倒壊や、被災地は多雨期であることから、土砂によってできたダムの決壊の危機とともに、伝染病の蔓延も危惧されました。

中国・四川大地震で倒壊した建物の現実

上海
オリンピックに向けて爆発的な発展をする中国。上海には高層ビル群が並び立つ。そんな中でこの災害が中国を襲った。
ダムの決壊によって土石流が発生すれば、人口密集地域で大きな被害が起きますが、これまでの四川大地震の報道を総合すると、そのほとんどの被害は建物の倒壊によるものでした。日本では震度6強にならないと建物の倒壊はほとんど始まらないとされていますが、建物の耐震基準が日本の40%以下と言われる中国の建物は震度5強とも言われ、その強度基準の差が今回の被害の大きさにつながったのは明らかです。

あるべき鉄筋や梁などが存在していない手抜き工事「おから建築」も報道されています。日中に起きた震災においてこのような甚大な数の犠牲者が出たのは、もはや「天災」とは呼べないのもかもしれません。ではこの災害史に残る四川大地震に我々はどんな教訓を得ることができるのでしょうか。

四川大地震が教えてくれた教訓>>

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