家計を維持するため時間を切り売りするひとり親
子どもとの時間を大切にする方を選べば収入は少なくても我慢するしかない |
このように、ひとり親家庭の親がなぜワーキグプアに陥るのでしょうか? それは雇用形態がパートやアルバイト、契約・派遣社員などの非正社員であり、因って低賃金で不安定であるからです。当事者の誰もが望んでその状態にあるわけではないでしょう。「止むを得ず」「仕方なく」「これ以外なくて」、憂える暇もなく、子どものため、家計を維持するため、自分の人生の時間を切り売りしているのです。
では、不安定な雇用形態からぬけ出せばいいと? もちろん、そうです。でも、それがなかなかうまくいかないから今の状態で働くしかないというパターンがほとんどではないでしょうか? 私はぜひとも前向きな気持ちで、何度不採用通知を手にしても、正社員になるべく就活をすればよいとは思います。或いは起業するという道を考えてもよいでしょう。しかし、あえてパートの道を選ぶ人もいます。また正社員を辞めてパートの道を選んだ人もいるのです。
なぜでしょう? 私はこれまでに多くの父子・母子家庭の方に、仕事についての相談を受ける機会がありました。その折いろいろな話を聞きましたのでまとめてみます。
■ひとり親はなぜ低賃金・不安定な非正社員として働くのか?
A.仕事と子育ての両立への不安・困難
- 正社員だったが同僚より早く帰ることが多く職場いじめに遭って退職したから
- 無理して正社員となり周りに気を遣ったり遣わせるよりパートの方が気楽だから
- 時間になったらパッと切り上げて帰れるから
- 保育園・学童保育の迎えの時間に間に合わせるにはパートにするしかないから
- 専業主婦期間が長かったので正社員で採用される自信がないから
- パソコンができないので責任のある仕事は無理そうだから
- 子どもが小さい、ひとり親家庭という理由で不採用になったから
- 正社員希望なら不採用、パートなら採用すると言われたから
- 「試用期間後正社員雇用」という話だったが、「残業できないならパートで」と言われたから
- ひとり親家庭の母親はまず正社員で採用されることはないと聞いたから
→次ページへ続く~先の先まで見越して、少しでも収入アップを目指して!