離婚を切り出された側の心理は時期とともに変わる
あの幸せな日、時間を止めることができたなら…
●離婚を切り出された人の心の変化
第1段階 ショック期
あまりのショックの大きさに自分で自分を支えられない状態。これは悪い夢ではないのか? 夢であってくれたら、と願うが現実に起きたことであり気が動転する。動悸がして眠れずどうしてこんなことに? なぜ私がこんな目に? と同じことが頭の中でぐるぐると回り続ける。
第2段階 パニック期
離婚を突きつけ自分を奈落の底に陥れたパートナーに対して怒りや恨みの感情が湧き激しく罵ったりする。その反面、自分のどこがいけなかったのか? あの時こうしていればこんなことにはならなかったのではないか? などと自責に向かう。絶望と悲しみでノイローゼやうつ状態になることもある。
第3段階 葛藤期
パートナーの心はもう自分を見ていないという現実を受け入れようとしたり、受け入れまいとしたり、といった葛藤を繰り返す。また修復の可能性に賭ける。パートナーとの歴史を振り返りあの時はよかった、などと考えたりもするが、少しずつ今の状況に慣れてあきらめの気持ちも湧いてくる。
第4段階 出発期
未練や後悔は完全に消えたわけではないが、過去を振り返ってばかりの日々から脱却。元気を取り戻し未来に目を向けることができるようになる。具体的な新しい人生について前向きに考えられるようになり、リセットすることで今よりももっと明るい幸せな未来が待っているはずといった希望さえ持てるようになる。
離婚を切り出される側は、「自分は離婚なんてしたくない」という場合が殆どです。しかし、そう言っても、相手のあることは自分が幾ら嫌だと叫んでも、どうにもならないこともあるのです。もちろん、受け入れたくないなら、できる限りの努力はするべきですが。
離婚を切り出された側より、離婚を切り出した方がリードしている
葛藤の先にあるのは新しいまっさらな気持ち
例えば、私の知人のA子さんは、4歳、2歳、それにお腹にも子どもがいるという子育てが大変な時期に、突然夫から離婚を切り出されました。夫は不倫をしており、その頃その相手の女性も妊娠したのをきっかけに「好きな人ができた。おまえとはもうやっていけない。離婚してくれ」と言ったのです。
あまりのショックの大きさに身体にチカラが入らず、家事も子どもの世話もできなくなりそうでした。A子さんの自宅は、マンションの10階。何日も何日も眠れない日が続き、ベランダから子どもたちと飛び降りて無理心中してしまおうかと、何度も思っては思い留まることを繰り返したとか。
離婚を切り出されても、離婚を乗り越えられる日は必ずやってくる
怒りと嫉妬の情で気が狂いそうになり、夫のいる愛人の部屋の灯りが見えるところへ車で行き、包丁を買いに走ろうかと思い詰めたこともありましたが、二人が買い物に仲良さげに出かけていくところを見て、もはや夫の人生に自分という人間はいないのだという現実を突き付けられたような気がしたそうです。今の状態が続いていてはただ苦しいだけ。離婚を受け入れるしか道はないと、ようやく子どもたち3人と生きる未来というものを考えることができるようになったということです。死んだほうがマシとまで思っても、持ちこたえて生きていれば、いつかは乗り越えられる日がやってくるのです。
私のカウンセリングにいらっしゃる方も、皆さんがんばって、いつかは第4段階の出発期へと辿り着いています。第4段階までくると、皆さん笑顔が少しずつ増えてきます。とにかくどんなにつらくても変な気は起こさないでください。いつか必ず未来に希望が持てる日がやってきますから!
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