「離婚に至る不一致」とは
妻や夫と、どうしてもうまくいかなくなった時、私たちはそれを「性格の違い」にはないのである。私たちは、夫婦が目指してゆくべき「与え、与えられる関係」「もたらし、もたらされる関係」に対する、パートナーの声なき「ノー」を聞いてはじめて、離婚を決意しているのではないだろうか。
「離婚に至る不一致」の本質とは、つまり「パートナーシップの破綻」に他ならない。瞳は見つめ合っていても、心は向かい合っていない夫婦が、いかに多いことだろう。
夫婦として長い年月共に生きていくために、どんな心持でお互いと向かい合い、問題を解決していかなければならないのかということを、私たちは結婚を前に、あまりにも話し合っていない。
しかし、例えば小学校の運動会で、二人三脚の競技でどうしても勝たなければならないというような時。パートナーを自由に選んでよいと言われたら、私はきっと「他の誰よりも仲が良く、気が合いそう」で、「問題が生じた時に積極的に解決に協力」してくれそうで、「走る速度が自分と同じくらい」で「自分を信頼」してくれて、「ちょっとしたことで機嫌を損ねて八つ当りしたりしない」ような子供を選ぶでしょう。それは、勝負に勝つための絶対に必要な条件だからだが、本来は、結婚相手を選ぶ時にも、人生をつつがなく走りきるために、そのようなパートナーを選ばなければならないのだ。私たちは、そういったことに対して、あまりにも無知なのかもしれない。
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