「性格の不一致」という言葉のあいまいさ
「性格の違い」と「不一致」と
今、離婚をする人のほとんどが、「性格の不一致」を原因として挙げている。
「性格の不一致」
それは、複雑な離婚原因を一言で言い表してくれる、便利な言葉には違いない。
しかし、言葉としてあまりにも便利すぎるゆえに、ますます「現代の離婚原因」をわかりにくく、不透明にしているのではないだろうか。
「価値観のズレ」、という言葉にも、それに似た傾向がある。何故なら「価値観」と一言で言っても、様々な種類と、方向性がある。そして、そもそも、人それぞれの「価値観」は違っていて当り前、ズレていて当り前なのではないだろうか。また、もちろんそういったことも全て理解した上で、私たちはパートナーとの結婚を選択しているはずなのである。
だとすれば、それが私たちの心の中で「離婚に至るほどの不一致」に発展していく間には、何らかの心理的、状況的な変化があるはずだ。
「価値観」「性格」は、違っていて当り前だが、夫婦の間に、「どうしても我慢できない差異や、ズレ」が存在することも、また事実・・・。
過去に「性格の不一致」を理由に離婚した人も、現在、それを理由に離婚しようと思っている人も、いま一度「性格の違い」「価値観のズレ」というものの本質について、考えてもらえたらと思う。