そうして妻は悲しみに耐えながらも、しっかり夫を観察して記録をつけます。ケータイの通話明細も取り寄せて、どこの誰と頻繁に通じているのか突き止めます。残業で遅くなるという日は、本当に残業なのかは簡単に分かりますよね。ケータイにではなく会社に電話をすれば、本人がそこで残業しているのかいないのか確認できるわけですから。とにかく帰りが遅い日、休日出勤、会社の行事などという理由で、家で過ごさない時間は、殆ど100%近く怪しいと考えて、自ら確認してもいいですし、調査所に依頼をしてもいいですから、証拠をつかんでおきます。
「何故そんなことをするのか? 今は辛いけれど私は波風立てずに、知らないフリをして、いつかは自分のもとへ戻ってくると信じて待つわ」という人がいます。どうしてもそうしたい、というのであれば、それも1つの選択でしょう。でも、そうやって何年、何十年も問題を放置して、セックスもない仮面夫婦を続けて、結局夫は愛人のもとに去っていった、ということもあるわけです。今までの私の人生は何だったのだろう? あの時別の選択をしていれば…と後悔することにもなりかねません。逆に「やっぱり耐えてきて良かった。今は夫も落ち着いて楽しい老後を二人で送っているから」という結果が出ればあの時の選択は正しかったとなるのですが…。
不倫をされている妻から、「なんとか夫に、愛人との関係を清算して戻って来て欲しいのですが…」という相談を受けます。その場合の解決方法は、証拠をつかんだ上で愛人に慰謝料を請求する裁判を起こすことです。過去の相談例からいって、この方法で10中8、9夫と愛人との仲は壊れます。愛人は「なんで私が慰謝料を払わなければならないの? あなたが払ってよ」。夫は「なんで妻に俺がン百万払わなければならないんだ?」「元はといえば、あなたの方から誘ったんだから」潔く慰謝料を支払う愛人はそうはいません。結局そんなことでモメにモメて、愛人とは別れ元の鞘に収まるというわけです。一見裁判なんて起こしたら、ますます夫は戻って来なくなってしまうのではないか? と思われるかも知れませんが、先程も言ったように、ほんとにこの手段は有効なんです。直談判より余程手っ取り早いです。直談判して、「はい、ごめんなさい。別れます」なんて答えが返ってくるわけないですから。ダメと言われたことで、ますます盛り上がってしまうだけです。
結婚相手の不倫が発覚した時、憎しみの感情に任せて“離婚”を進めないで下さい。もし相手に戻って欲しいという気持ちがあるのなら、素直になって問題解決の方法を探るべきです。また不倫当事者は、訴えられて慰謝料を請求されるということ(罠)も覚悟しなければ、オイシイとこ取りは続けられないのです。
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