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黒く塗られた木造の建物が印象的 |
今回は花巻への観光の拠点にオススメの宿をご紹介したいと思います。花巻市街から車で約30分ほど走った、花巻温泉郷の最奥にある台温泉の宿「炭屋 台の湯」です。
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館内は畳敷きになっています |
台温泉は、坂上田村麻呂によって1200年前に発見されたとか、600年前に湯本の猟師が大湯(雉子の湯)を発見したとか、諸説伝わる温泉地。その後、南部領となり、南部藩の温泉のなかでも最も早く開けたと伝わる歴史のある温泉地です。台温泉は狭いエリアに16軒の宿と日帰り湯1軒が集まります。もともと自炊客を中心とした湯治場だったこともあり、温泉街特有の賑やかさはなくひっそりとして実に静かでした。
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階段からロビーを見下ろすとこんな感じです |
温泉街の入口付近に「炭屋 台の湯」はあります。黒く塗られた木造建築の建物は、築200年を超える元置屋さんとのこと。ガラガラガラ…。と引き戸を開けて中に入ると、右手に帳場があり、ロビーにはちゃぶ台やアンティーク家具、骨董の器や人形などが飾られていて、時代をさかのぼってしまったような不思議な感覚になります。
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棚の上にはアンティークの陶磁器やガラス器が並んでいます |
階段を昇っていくと、館内はまるで迷路のように複雑な造り。廊下に客室が並ぶといった感じではなく、わずか10室の客室が2階から3階にかけて点々と配されているので、隣の部屋が気になることもありません。
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さつきの客室 |
ひとり泊まりの場合は、6畳一間の客室に通されます。普通、6畳一間というと、殺風景だったり閉塞感があって苦痛になる時もあるのですが、こちらの客室は内装が素敵で居心地も良かったです。2階の「さつき」は、本間の壁に額入りの書が掛かり、広縁には籐のソファが配され、その奥に小さな坪庭がありました。小さな空間なのですが、それだけでどんなに癒されたことか!
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2階には読書を楽しめるスペースも |
2階にはオーナーが集めたという古い本を楽しむ読書スペースもあります。部屋にいるのが退屈なときは、ここで読書を楽しむのもいいでしょう。
部屋で少しくつろいだあと、早速お風呂へ行ってみることにしました。次ページでご紹介します。