「家プロジェクト」とは、本村地区の古い民家を改修し、アーティストが家の空間そのものを作品化した4つのプロジェクトのこと。作品そのものを鑑賞するだけでなく、長い年月そこで営まれていた生活や日本の伝統、美意識なども同時に感じることができます。
護王神社 杉本博司。地上に見えるガラスの階段はなんと地下の石室まで続いています |
私はそのなかでも特に「護王神社」が印象に残りました。江戸時代から祀られている護王神社の改築に合わせて、本殿と拝殿の建物、また拝殿の地下の石室を杉本博司氏が設計。石室と本殿はガラスの階段で結ばれていて、地下と地上とがひとつの世界を形成しています。ひんやりとした空気が漂う、地下の石室のなかに入ることもでき、地下へ伸びるガラスの階段も目にすることができます。うっそうとした深い森に囲まれ、白い石が敷き詰められた空間の奥に、すっと佇む小さな本殿を前にしていると、神聖な気持ちになります。
「家プロジェクト」
・TEL:087-892-2030(ベネッセハウス)
・開館時間:9:30~16:30(10~6月は10:00~)
・定休日:月曜(祝日の場合は開館)
・料金:角屋、南寺、護王神社石室の3施設500円(きんざのみ別途500円)
安藤忠雄設計の「地中美術館」。瀬戸内海を望み、自然景観と調和するように地下に埋没した造りになっています。撮影:藤塚光政 |
どの作品も、配された部屋そのものが作品というユニークなもの。また自然光を生かして設置されているので、時間の経過や天候によって見え方、感じ方が変わってくるというのも興味深いものです。
「地中美術館」
・住所:香川県香川郡直島町3449-1
・地図:Yahoo!地図情報
・TEL:087-892-3755
・開館時間:10:00~18:00(最終入場は17:00)※10/1~2月末日は~17:00(最終入館は16:00)
・定休日:月曜(祝日の場合は翌日)
・料金:大人2,000円
・交通:宮浦港から町営バスで約20分、地中美術館バス停下車すぐ
どのアートプロジェクトも、直島という瀬戸内海特有の緩やかな空気に包まれた、自然豊かな小さな島で行われるからこそ、これほどに表情豊かに感じられたのだろうと思います。きっと都会では実現できないことでしょう。
陽の移り変わりにより、陰影を楽しめるオアシスを創り出した人工の林。SANAA/イメージ図 (c)NAOSHIMA STANDARD 2 |
次回は、「素顔の直島」にズームアップ! お楽しみに。
■東京から直島へのアクセス
羽田空港から高松空港まで飛行機で約1時間15分、高松空港からコトデンバスで約35分、高松駅から徒歩5分の高松港から四国汽船フェリーに乗り、約60分で宮浦港に到着