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祝50周年!回転寿司発祥の店に行ってみた

大阪は回転寿司の地。「寿司を回転させる」という常識を覆す発想だが誕生して半世紀の歴史を誇るとか。近年では海外にも進出した回転寿司の、その原点である「元禄寿司」本店へ行ってみました。

執筆者:陸奥 賢

大阪は回転寿司 発祥の地

回転寿司の元祖・元禄寿司本店(大阪市)。一皿130円の明朗会計で、60種類以上とネタ数が豊富
回転寿司の元祖・元禄寿司本店(大阪市)。一皿130円の明朗会計で、60種類以上とネタ数が豊富
昭和33年(1958年)、大阪府布施市(現・東大阪市)の近鉄布施駅に「元禄寿司」という回転寿司屋がオープン。じつはこれが日本ではじめての回転寿司屋。当時、大阪で立ち喰い寿司店の経営をしていた白石義明氏が、ビール製造工場のベルトコンベアを見ていたときに、ハッと気づいた。「大勢のお客さんの注文を効率的にさばくには、寿司をコンベアに乗せてお客さんの手元に届けるようにすればいいのでは?」。

こうして生まれたのが「回転寿司」。いまでは日本全国では4,000店舗以上、年間売り上げは5,000億円を超える外食産業にまで発展している。近年では日本国内を飛び越えて、欧米でも「RUNNING SUSHI」というネーミングで海外進出している。よくよく考えると「寿司を回転させる」というのはものすごい発想力で、寿司という食文化の歴史を変えた常識を覆すコペルニクス的転換だったといえる。その元祖・回転寿司の元禄寿司だが、じつは大阪にまだちゃんと現存していて、その本店が創業の地である布施駅に存在する。

回転寿司が「時計回り」のワケ

大阪ミナミの中心地・なんば駅から近鉄電車で約10分。近鉄布施駅の南口を出て一条通り商店会の一角に元禄寿司本店はある。外観からはまったく普通の回転寿司屋のように見えるが、よくよく見ると看板の「廻る」「回転寿司」の片隅には商標登録を意味する「Rマーク」が。まさしく回転寿司発祥のお店という証明といえるだろう。

さっそく店内に入ると、威勢のいいお兄ちゃんに「いらっしゃいませ!」と声を掛けられてカウンターへ。すると目の前にはコンベアがあって、イクラやマグロといったお寿司が、客の間をぐるぐると廻っている。要するになんの変哲もない典型的な回転寿司の光景なのだが、「回転寿司の元祖」というだけで、なにか感慨深いものを感じる。ちなみに回転寿司というのは基本的に「時計回り」だが、これも客が右手に箸を持ち、左手で皿を取る人が多いことから白石義明氏が定めたという。瑣末な話のように思えるが、こういう人間心理をついたアイデアに、なにわ商人の知恵のようなものが感じられる。

こだわり抜いた厳選素材が一皿130円

肝心の元禄寿司の味はどうかと食べてみるが、これがじつに美味い。一皿どれでも130円という明朗会計で、ネタの種類も60種類以上と豊富。とくにオススメなのがこだわり抜いた厳選素材を一貫付けで出すという「特選一貫握り」。また平日の夜に行ったのだが、客の数は非常に多く「寿司が回転する」というような珍妙な理由だけではなく、寿司の美味さ、ネタの鮮度の良さがあってこそ回転寿司がここまで繁栄したというのがよくわかる。

結局、10皿も食べてしまって満腹かつ大満足で帰路についたが、2008年は回転寿司が誕生して50周年、半世紀になるのだとか。大阪旅行の際には、ぜひ大阪が世界に誇る食文化「回転寿司」の元祖「元禄寿司」本店で、パイオニアの味を堪能してほしい。


【関連情報】
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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