「真剣な表情でご説明をしてくださるやすこ先生」 |
妊娠について、避妊について、月経前症候群について、独身の頃とは違った悩みが顔を出してきたのではないでしょうか。パートナーがいるからこそ知っておかなければいけない「自分の身体」です。結婚前は、行きにくかった産婦人科に、ポジティブに足を運んでみましょう。
女性の身体の仕組み、快適な毎日の過ごし方をしっかり教えてくださいます。
「生理痛がひどいくらいで婦人科に行くのはいやだなあ」
「おなかの調子がよくないけど、婦人科の病気かどうかわからない」
女性には、婦人科に行くべき事態が時々あります。でもなぜか敷居が高いのが産婦人科です。
今回お話をうかがったやすこレディスクリニックの林康子先生は、「症状が進む前にぜひ検診をしてください」とおっしゃっています。
季節や年齢によって症状が違う女性の身体
ガイド(二松):「やすこ先生のクリニックにはどんな症状の方が診察を受けに来られますか?」
やすこ先生:
「毎月のべ1000人以上の方がいらっしゃいますが、生理痛から、子宮内膜症、かゆみなど様々です。
季節によって、多い症状があるのも不思議な現象です」
ガイド(二松):
「季節によって、どんな患者さんが増えますか?」
やすこ先生:
「まず春は、不正出血が多いです。4月、5月。これは、転勤やお子さんの学校の行事などで忙しい季節だからなのでしょうか。3月にどたばた動いて、春に疲れがどっと出ている気がします。
不正出血は疲労のサインです。
身体が悲鳴をあげていますから、休ませてあげなければいけませんね。
梅雨時から夏にかけては、かゆみの症状、カンジダ膣外陰炎が増えます。かゆみは、ピチッとしたジーンズにおりものシートを長時間交換せずにつけていると現れますね。この病院の周りは若い女性が多く、ジーンズファッションの方をよく見かけます。時々、風をとおさないとむれてしまいます。
「患者さんと資料を見ながら、『自分の身体のことをもっと知ってね』とやさしくアドバイス」 |
9月頃にはまた不正出血が増えます。暑い夏にばててしまって、排卵が1ヶ月飛んでしまうケースがあります。そして、冬になると風邪をひきますよね。抗生物質を飲み過ぎて、カンジダ膣外陰炎になる場合もあります。いずれも、身体の抵抗力が落ちている時に出てくる症状です。あまりストレスをためないよう、息を抜いて生活した方がいいですね。」
ガイド(二松):
「季節によって変化する女性の身体はとてもデリケートなものなのですね。
では年齢によって、症状の違いはありますか?」
やすこ先生:
「月経量が多い人は全年齢でいます。血液の量が多いんです。問診票で『生理の量について』と尋ねるとほとんどの人が『普通』と答えますけど、ちがいます。1割以上の方は生理の量は多いんです。
まあ、こればかりは人と比べられませんからね。
日中でも夜用ナプキンを使用している方は要注意です。
生理の量が多いと、鉄欠乏症になり、貧血の症状が出てきます。それで体調がすぐれない。
この病院の近辺は若いママ達が多いです。引っ越しや幼稚園入園、公園デビューなどで環境が変化するとホルモンバランスも崩れ、身体の不調として出てきます。
30代の女性も、月経前症候群や生理痛、生理不順は多いです。ホルモンバランスを崩しながら子育てと毎日向き合っていると、イライラがつのってくる。よくないですね。
40代の女性は更年期の症状でいらっしゃいます。私が懸念するのは避妊の相談でいらっしゃらないことです。これは困ります。もっと避妊に興味をもち、気軽に相談してほしいですね」
ガイド(二松):
「年齢を問わず、ホルモンバランスを整えることは大切なのですね。」
次ページでは低用量ピルについて知らなかった事実をお伝えします。