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人気沸騰、和歌山電鉄のたま駅長に会おう!

和歌山電鉄の終点・貴志駅の駅長は、ネコの「たま」だ。愛嬌ある姿で電車に乗り降りする乗客を出迎える「たま」は、今や人気沸騰のアイドル駅長だ。

野田 隆

執筆者:野田 隆

鉄道ガイド

「貴志川線の電車」
貴志川線の電車が、終点貴志駅に到着した。

いちご電車」と「おもちゃ電車」で有名な和歌山電鐵。それぞれの電車については、次回詳しくご紹介するとして、まずは終点までミニトリップを楽しもう。

1日乗車券
貴志駅まで1往復するだけでも1日乗車券はおトクだ。
和歌山電鐵和歌山駅は、JR和歌山駅の脇にひっそりと並んで、1本だけのホームの片側に電車が停まっている。駅ビルのあるJRの改札口で和歌山電鉄の1日乗車券の買い方を訊ねると、遅延証明書のような紙切れを渡され、それを持って改札内へ通された。地下道を通って、一番奥まったところにある7番線へ行くと、階段を上がった先に小さな窓口があり、そこで1日乗車券を買うことができた。お値段は650円。単純に終点まで往復すると720円だから、お得なチケットである。

古風な名前が多い貴志川線の駅名

おもちゃ電車
和歌山駅から「おもちゃ電車」に乗って貴志駅へ向かう。
ホームに停まっていたのは普通の電車。1台見送ると「おもちゃ電車」がやってきたので、これに乗って小さな旅が始まった。すぐにJR紀勢本線と分かれ、か細い単線の線路をがたんごとんと揺れながら進む。

日前宮(にちぜんぐう)、竈山(かまやま)といった難しそうな名前の駅が続く。これらは神社の最寄り駅で、さらに進んだところにある伊太祁曽(いだきそ)神社とあわせて三社参りのための足として貴志川線は建設されたのだという。

貴志川線の車窓
貴志川線の車窓からは、のどかな田園風景が眺められる。
次第に町外れとなり、田園風景の中をのんびり進む。30分あまりの旅の半ば過ぎにある伊太祈曽(いだきそ=神社名や南海電鉄時代とは漢字が変わった)駅は、車庫のある貴志川線の要となる駅だ。ここで反対方向へ行く電車とすれ違いの為、少々停車する。駅では和歌山電鐵の楽しいグッズも売っているので、時間があれば帰りに途中下車して冷やかしたいものだ。

貴志駅
貴志駅は、小さな終着駅だが、観光客でごった返していた。
この先は、山深いところをのろのろ進むかと思えば、突然視界が開け、大きな池を渡ったりもする。その名も大池(おいけ)遊園。春は桜の名所になるらしい。さらに先を急ぎ、甘露寺前(かんろじまえ)に停まれば、いよいよ次が終点・貴志(きし)だ。

貴志駅は、線路は二本あるものの、ホームは片側一本だけの小さな終着駅である。一番前のドアで一日乗車券を運転士に見せて降りると、階段を数段下りて小さな駅舎へと続く。

さて、次のページでいよいよ駅長さんとご対面だ。
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