北海道のその先へ
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富良野をのんびり走るノロッコ号 |
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客車は窓も開き、さわやかな風を肌で感じることができる |
札幌は、ヨーロッパを思わせる清々しい街だ。ここに滞在するだけでも充実した時間が過ごせるが、さらに北海道の先へも鉄道の旅がしたい。道東へ行くもよし、最北の稚内へ行くのもよいが、ある程度の時間がかかる。その点、比較的近くて北海道らしさが味わえるのは富良野だろう。札幌からはリゾート特急が期日限定で出ているし、富良野からは、のどかな「ノロッコ号」にも乗れる。鉄道の旅が存分に楽しめる数少ないスポットである。
「ゆふいんの森」で行く温泉旅行
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ユニークな由布院の駅舎をバックに停車中の「ゆふいんの森」 |
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森をイメージした緑の座席に女性も満足? |
一方、南は九州の鉄道旅行のイチオシは、博多から出ている観光特急「ゆふいんの森」号だ。博多までは余命幾ばくもないブルートレイン「はやぶさ」にも乗れるが、妻が満足するかは保証の限りではない。テツ分があるならいざ知らず、相当にくたびれた車両で、食堂車もラウンジもない夜行列車では、残念ながら女性の人気は得られないだろう。
博多駅は、福岡空港から地下鉄で5分程というアクセスの良さが売りだ。ここからは九州各都市へ魅力ある特急列車が続々と旅立って行く。その中で「ゆふいんの森」は異色の列車と言えよう。森をイメージしたグリーンの車両は、やや古風な風貌だ。ネオ・クラシック調を標榜し、1930年代のアメリカあたりで流行ったようなスタイルだ。その分、落着いた雰囲気である。
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木目調の車内。デッキ付近の構造はユニークだ。 |
木目調の車内は、リゾート特急に相応しく、女性の客室乗務員があれこれサービスに努めている。観光列車らしく、車窓案内もきめ細かく、初めて訪れる旅行者にも親切だ。久留米から久大本線に入ってからは、ローカル色も強まり、渓谷や沿線の小都市の鄙びた佇まいも魅力的だ。
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足湯もある由布院に到着した「ゆふいんの森」 |
由布院駅のユニークな駅舎が目を惹くが、温泉地らしくホームに足湯があるのも楽しい。せっかくだから贅沢な温泉宿で二人だけの時間を過ごしたいものだ。豊後牛やこの地ゆかりの食材も豊かで、妻も満足の旅行となること請け合いだ。
次のページでは、妻ばかりか誰でも楽しいSLの旅を案内したい。