|
特徴ある最後尾をはじめ列車全体に優雅さが漂う「カシオペア号」 |
夫婦でのんびり水入らずの旅行。ゆったりした気分を味わうなら、鉄道旅行がオススメだ。少しはリッチな気分も味わえる列車の旅。但し、列車と路線を厳選しないと、せっかくの旅も肩透かしを食う可能性もある。風光明媚な路線でも、通勤型車両に乗り合わせる不運が待ち構えているかもしれないのだ。鉄道旅行は、事前の計画と予備知識なしでは出来ない時代でもある。今回は、妻が喜ぶという視点でのオススメ列車を挙げてみた。
|
上野~青森間で「カシオペア号」を引っ張るカラフルな電気機関車 |
リッチな気分を味わえる列車を選ぼう
|
ムードあふれる「カシオペア号」の食堂車内部 |
「オリエント急行」などの海外の豪華列車はさておき、国内でゴージャスな気分を味わえる究極の列車といえば「カシオペア」であろう。東京の上野と北海道の札幌を16時間で結ぶ寝台特急。グリーン車に相当するグレード(A寝台)の二人個室ばかりで編成され、洗面所とトイレも付いた部屋は、動くホテルと言うに相応しい。
|
食堂車のメニューはフランス料理のコースか懐石御膳だ |
乗車すれば、部屋にウエルカム・ドリンクのサービスがあるし、予約制の食堂車では、フランス料理のコース、あるいは懐石御膳に舌鼓を打ちながら流れ行く夜景を楽しめるのも新鮮だ。夜も更ければ、満点の星の下、列車のリズミカルな音をBGMにパブタイムを食堂車で過ごすのも大人の楽しみだ。ドライブでは不可能な列車ならではの時間がゆったりと過ぎてゆく。シャワーを浴びることができるのもホテル並みだ。但し、一番数の多いカシオペアツインでは、シャワーは共用のものである。
目が覚めれば、列車は北海道の雄大な大地をひた走っている。ちょっと早起きすれば大沼公園あたりを、6時を回っていれば、右手に噴火湾が広がっているはずだ。モーニングコーヒーを飲んでいると、列車は牧場の脇を通り過ぎていく。一緒に車窓から遥か彼方に広がる勇払原野を眺めていれば、言葉は要らない。微笑みながら、共に通り過ぎてきた行路を人生になぞらえて感慨に耽るうちに、終点・札幌が近づいてくることだろう。
次のページでは、その先の北海道の旅と、九州の観光列車で行く温泉旅行を紹介しよう。