釧路川を越え、いよいよ釧路本線へ
釧網本線は緑豊かな大自然の中を進む。 |
釧路川の鉄橋を渡り、東釧路駅を出ると、列車は左にカーヴしながら、東へ向かう根室本線と分かれる。いよいよ釧網本線の旅が始まったわけだが、単線のか細い鉄路を行く一両だけの編成は、いかにもローカル線という風情だ。「本線」とは名ばかりである。
車窓の最初のビューポイントは、釧路湿原だ。先ほど渡った釧路川の上流部が左手に近づいてきて、次の停車駅遠矢(とおや)を出ると、草原の中に奇妙な形をしたコンクリートのオブジェのようなものが二つ見えてくる。釧路川の岩保木水門で新釧路川との分かれ目だ。そばには木製の古い水門もあり歴史的建造物となっている。これが、釧路湿原の入り口の目印ともいうべきものだろう。
列車は釧路湿原駅に停車する。右側にホームが一本あるだけの小さい駅だが、観光客でごった返している。この駅の近くに湿原が眺望できる細岡展望台があり、「ノロッコ号」で来た旅行者が一通りの観光を終えて網走方面へ向かうために、この列車に乗り込もうとしているのだ。大勢降りたものの、それ以上の人々が乗り込もうとして狭い入口は大混雑である。
釧路湿原駅を発車、茅沼へ向かう
細岡駅はログハウス風の小さな駅舎が印象的だ。 |
塘路駅の駅名標。ライトグリーンはJR北海道のカラーだ。 |
茅沼駅脇の原野は冬になればタンチョウヅルが舞い降りる。 |
五十石(ごじっこく)を経て、人家が増えてくると久しぶりの町・標茶(しべちゃ)だ。次のページからは、いよいよ日本離れした牧草地を走る。