変わる、鉄道ファンの固定観念

このところ、鉄道を趣味として楽しむことが注目を浴びている。テレビでは、一般向けの鉄道旅行をテーマにしたものから鉄道模型のようなマニアックな内容のものに至るまで鉄道に関連した番組が数多く放映され、一般の雑誌でも鉄道特集が頻繁に組まれ、いずれもかなりの人気だ。さいたま市の大宮にオープンした鉄道博物館も予想以上の入場者を集め、鉄道ファンのみならず、マニアではない人々や家族連れもこぞって訪問しているという。2008年3月のダイヤ改定で廃止になった夜行急行「銀河」のニュースもかなり大きく取り上げられ世間の注目を浴びた。

そして、こうした「鉄道」に打ち込む趣味人にも大いに関心が寄せられている。世間では、「鉄道ファン」「鉄道マニア」「鉄道オタク」「鉄ちゃん」「テツ」などと呼ばれて、そのやや奇異な行動パターンが、ことさら誇張され紹介されている。そうした人達は、かつてはほとんどが男性であったのだが、最近では女性の趣味人も急増し、彼女たちのことは「鉄子」「テツ子」と呼ばれている。

鉄道ファンといえば、そうした趣味は子供っぽい恥ずかしいものであるという固定観念が強く、かつては人前では隠し、ひそかに楽しんでいる人が多かった。しかし、最近ではカミングアウトする人が激増し、余暇や老後のセカンドライフのひとつとして認知されてきたようでもある。

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このような中央線の通勤電車であっても新型に置き換えられて消える運命にあるとファンは熱いまなざしで追いかけるのである。

鉄道ファンの諸相、分かれる流儀

 さて、鉄道趣味と一口にいっても、その内容は多彩である。何はともあれ、列車に乗って鉄道旅行を楽しむ流儀を「乗りテツ」、線路際で列車の走行写真を撮影する鉄道ファンを「撮りテツ」と言う。撮りテツには、写真ではなくビデオなどの映像派や走行音に夢中になる「音テツ」もいる。

そうした本物志向ではなく、模型の世界にのめり込むファンもかなりな数にのぼり、「模型テツ」も一大勢力である。模型といっても精密で大型の車両製作に打ち込む人、金にあかせて膨大な数の模型車輌を収集するコレクター、車輌を箱庭のようなジオラマ(業界では「レイアウト」という)で走らせて楽しむ運転派などに分かれる。

そのほか、切符や時刻表、鉄道関連グッズなどを収集して楽しむ人、車輌のメカを専門的に研究するタイプなど趣味の流儀は様々だ。以上の、どれかをひとつだけを徹底的に極める人から、いくつかの趣味ジャンルを織り交ぜながら楽しむ人まで、一口に鉄道ファンといってもバリエーションは多彩だ。

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