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開業20周年の青函トンネル・竜飛海底駅の旅(2ページ目)

本州と北海道を陸続きにした青函トンネルが開業して、今年で20周年。近い将来、新幹線が通ることになるこの海底トンネルと、トンネル内にある海底駅の見学コースを紹介します。

執筆者:高橋 良算

青函トンネル内にある2つの駅


竜飛海底駅
定点と呼ばれる工事拠点だった現在の竜飛海底駅。線路幅の広い新幹線が通れる設計なだけに、とても広い

青函トンネル内には、本州側の「竜飛海底(たっぴかいてい)」と北海道側の「吉岡海底(よしおかかいてい)」という2つの駅があります。

竜飛海底駅
隣の吉岡海底駅は、現在休止中
駅といっても、工事中は「定点」と呼ばれ工事の拠点となっていた場所。現在は緊急時の避難用として設置されている施設ですから、通常は乗り降りすることができません。しかし竜飛海底駅には「見学コース」が設けられており、この見学者だけは下車することができます。

かつては吉岡海底駅にも見学コースがあり、こちらは「ドラえもん海底ワールド」というテーマパークのような施設もあったのですが、北海道新幹線の工事準備にともない、2006年8月27日を最後に見学コースを終了。現在は、一般の旅客は乗降することができません。

竜飛海底駅の見学コース

竜飛海底駅
見学者の乗降のためだけに竜飛海底駅に停車中の特急列車
竜飛海底駅を見学するには、事前にみどりの窓口で「竜飛海底駅見学整理券」を購入し、定められた列車に乗らなければなりません(詳しくは次ページ下部参照)。

列車が竜飛海底駅に停車すると、2号車のドアが手動で開かれ、この整理券を所持している乗客だけが下車することができます。

列車を降りると狭いホームがあり、すぐに誘導路から作業坑へと案内され、そこで大きな荷物を預けて見学開始です。

竜飛海底駅
何本ものトンネルとそれをつなぐ通路が入り組んでいる。一人にされたら迷ってしまう

トンネル内は湿度が高く、何となくジメっとした感じ。常に換気のための微風が吹いています。また、いたるところから海水がしみ出していますが、これはポンプで地上へとくみ上げられているのだそうです。

しばらく歩くと、避難所と書かれた場所へ出ます。ここは、列車火災などの非常時に約1,000人の乗客を収容できるところで、長いベンチがたくさん置かれています。

竜飛海底駅
「避難所」という表示が、ここが緊急時のための施設なのだということを思い出させる

竜飛海底駅
さりげなく置かれているが、日本で一番地下深いところにある電話ボックスと自動販売機というわけだ
近くにある大きな便所には「便所使用禁止」とあり、「この待避所の便所は、非常時に使用するためのものであり、日常使用する便所は近くにありますので、そちらの方をご利用ください」との掲示が。

安全のためには当然必要な設備ですが、ここが避難所として使用されるようなことは、ないほうがよいのは言うまでもありません。



見学コースでは、ケーブルカーで地上へ上がります。竜飛岬の周辺を散策してみましょう。 >>
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