鉄道/おすすめ鉄道旅行

上野~札幌1,100km鈍行急行乗継ぎ旅・後編(5ページ目)

連続した5日間、JR東日本とJR北海道の普通列車が乗り放題の「北海道&東日本パス」。青春18きっぷでは乗れない路線にも乗れるこの切符で、上野から札幌まで、鈍行+急行を乗り継いで行ってみた旅行記の完結編。

執筆者:高橋 良算

ようやく着いた青森で小休止

青森駅
東北本線を走破、青森駅に到着
さて、青森に着いたが、次の札幌行急行「はまなす」の発車は22時45分で、まだ2時間ある。「北海道&東日本パス」では、この急行「はまなす」の自由席に限り、追加料金なしで乗車できるのだ。

ただ、自由席だから混んでいれば座れない。夏休みだからもしかすると2時間前からでも並ぶ必要があるかもしれない、と少々心配しながら来たものの、その気配はまるでなかった。これは一安心である。

駅前に出てどこかで食事でもしようかとも思っていたが、実は盛岡駅で買った「前沢牛めし」にまだ手をつけていなかったので、ホームのベンチで夕食とした。

それにしても涼しい。気温も低いが湿度も低い。長そでが欲しいくらいだ。東京の異常な蒸し暑さから比べれば別天地だ。この調子では北海道内はもっと涼しいのだろう。

現代版夜汽車、急行「はまなす」

青森駅
夜汽車旅情あふれる急行「はまなす」(青森)
22時12分、今夜の宿となる急行「はまなす」が青森駅4番ホームへ入線してきた。自由席は2両あったが、各扉に3~4人が並んだだけで、余裕で座ることができた。

急行「はまなす」は、青函トンネルが開通したことで誕生した、かつての夜汽車気分を味わえる数少ない列車だ。「はまなす」という北海道を連想させる名前もよいが、何より「急行」という響きがよい。しかも、客車列車なのである。青森~函館間は電気機関車、函館~札幌間はディーゼル機関車が牽引する。

車両も様々で、B寝台車が2両、カーペット敷きの指定席車「のびのびカーペットカー」が1両、指定座席車が2両、自由座席車が2両、計7両の客車を連ねて札幌まで行く。

B寝台車と指定席車はほぼ満席だった。しかし自由席はガラガラだ。

自由席は普通の座席だから本来なら足を伸ばせないのだが、これだけ空いていると、前の座席を回転させ4人分を向かい合わせにして、1人で占領できる。何しろ今日は自由席の乗客が全員それをやっても、まだ十分空席があるという乗車率だから、遠慮せずにそうさせていただく。

ひと通り列車を眺めたり、飲み物を買いに行ったりして席に着き、22時45分、急行「はまなす」は定刻に発車した。

青森駅
旅人それぞれの思いを乗せて発車を待つ急行列車(青森)


ついに、1,100km乗り継ぎの旅・完遂の瞬間が >>
  • 前のページへ
  • 1
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます