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歴史の香り漂う神奈川の木造駅舎紀行

湘南というと神奈川県南部の相模湾岸一帯を指しますが、そのさらに西寄りの地域、いわゆる西湘地域には、味わい深い木造駅舎がいくつか存在します。今回はその中から際立った3つの駅舎をご紹介しましょう。

執筆者:高橋 良算


湘南といえば、神奈川県南部の相模湾岸一帯を指しますが、そのさらに西寄りの地域、いわゆる「西湘」地区には、味わい深い木造駅舎がいくつか存在します。今回はその中から際立った、東海道本線の大磯・早川・根府川という3つの駅舎をご紹介します。

各界の名士に愛された湘南の名駅舎
大磯駅

大磯駅舎
オレンジ色の屋根瓦が印象的な明るい大磯駅舎
平塚駅を出て少し行くと、突如として一方には山が迫り、もう一方には海と、それまでどこまでも平坦だった地形が急変する。そんな、相模平野が尽きるちょうどその出口のところにあるのが、大磯駅だ。

「南国」とまではいかないまでも、どこか温暖な気候を思わせるオレンジ色の瓦を載せた駅舎は、1925(大正14)年の建築。関東大震災により倒壊した駅舎にかわって再建されたものだそうだ。東海道本線の普通列車に乗り東京からわずか1時間あまりで、このような駅舎に出会うことができるのだから、首都圏もまだ捨てたものではない。

江戸時代、大磯には東海道の宿場が設けられた。やがて明治に入ると、伊藤博文や大隈重信、西園寺公望といった歴代総理大臣をはじめ、近代日本の礎を築いた多くの政財界人たちの別荘が林立したという。大正から昭和にかけては文化人も住むようになる。島崎藤村もその一人で、藤村の旧宅は駅から歩いて行ける場所に今も残されており、内部を見学できる。

大磯駅舎
端正な三角屋根が実に気持ちいい
1885(明治18)年に日本初の海水浴場が開設されたのも、大磯の照ヶ崎海岸である。大磯から小田原あたりまでの海岸を「こゆるぎの浜」ともいい、古来から多くの歌に詠まれてきた場所だ。そういえば、この駅の駅弁に「こゆるぎ弁当」というのもある。

その海沿いにはリゾート地の雰囲気を醸す大磯プリンスホテルがあり、このあたりの海岸ではひときわ目を引く。併設のプール「大磯ロングビーチ」は、芸能人の水泳大会で名を馳せたからご存知の方も多いだろう。

政治家から海水浴客まで多くの人々に愛されてきた瀟洒な駅舎は、歴史の香り漂う大磯の町に、実によく似合っている。



[駅データ]
大磯(おおいそ)駅/JR東日本・東海道本線
所在地:神奈川県中郡大磯町
開業日:1887(明治20)年7月11日
地図:Yahoo!地図情報

[関連サイト]
魅力たっぷり大磯
大磯の近代別荘建築について
大磯町観光協会



次は潮の香りが漂う港町の散策が楽しめる駅で途中下車。
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