鉄道/駅、鉄道グッズ

流氷が来る日本で唯一の駅・釧網本線北浜駅(2ページ目)

まもなく「流氷」のシーズンを迎えるオホーツク海。北海道東部の釧網本線北浜駅は、この流氷を眺めることができる唯一の駅として知られます。一度見たら忘れられない、そんな絶景の駅へご案内しましょう。

執筆者:高橋 良算

流氷を間近に見る日本で唯一の駅

北浜駅舎
海をバックに建つ北浜駅舎
毎年1月末~3月頃まで、オホーツク海を一面の白い世界に変える「流氷」がやってきます。

北浜駅のキャッチフレーズは「オホーツク海に一番近い駅」で、ホームに立つと、目の前はすべて海という最高のロケーション。そして冬はこの海が流氷で埋めつくされるわけです。車窓はもちろん、駅から流氷が間近に眺められるのも、現在では日本でここだけとなっています。

駅舎の横にある流氷展望台からは、正面の海はもちろん、長く続く海岸線の向こうに、斜里岳や遠く知床半島までが見通せます。冬は海から冷たい風が吹き付け、かなりの寒さとなりますが、寒さだって風景の一部。素晴らしい眺めと雰囲気を全身で感じてください。

あたたかい軽食&喫茶「停車場」

北浜駅
展望台からは遠く知床半島まで見通せる
さて、ホームですっかり冷えきった体をあたためてくれるのが、駅舎の中にある「停車場」という喫茶店。

店内の窓側には古い客車の座席があり、頭上には網棚も設置され、ムードを盛り上げます。窓からホームと海を眺めながらいただくコーヒーの味は格別。もちろん食事も可能で、カレーやラーメン、パスタなどどれも本格的ですが、ガイドおすすめは、ハンバーグに目玉焼きを添えた「停車場ランチ」(850円)。

なお、北海道を中心に活躍されている水彩色鉛筆画家・鈴木周作さんのイラストによる「停車場」オリジナルポストカードが販売されており、旅の記念に、おみやげにこちらもおすすめです(品切れのこともあります)。

北浜駅待合室
びっしりと貼られた切符類がこの駅の人気を物語る
かつて国鉄の合理化により北浜駅が無人駅になる際、寂れて荒廃することを心配した地元の方々の努力によって、1986(昭和61)年に駅舎を改装した駅レストランが実現したといいます。以来20年、この駅から人々の温もりが消えることはありません。

駅舎待合室の壁は、この駅を訪れた人が記念に貼付けていった名刺や切符で埋めつくされています。これほどまでにこの駅が多くの旅人を魅了し続ける最大の理由は、やはり人の温もりにあるでしょう。いくら景色がよくても、荒れてしまった駅というのは寂しいものです。北浜駅は本当に幸せな駅といえます。


ところで、流氷を見るにはコツだけではなく運も必要です。次のページで解説する流氷を見るポイントをしっかり押さえて旅に出ましょう。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます