小田急ロマンスカーといえば、新宿から箱根方面を結ぶ小田急電鉄の看板列車。そのロマンスカーで活躍した車両が、12月9日から長野電鉄を走ります。長野での列車名は「ゆけむり」。箱根への温泉客を運んだロマンスカーが、湯田中・渋といった有名温泉地へ向けて再び出発です。
信州へ行ったロマンスカー車両とは?
りんご畑を背景に快走する元ロマンスカー車両(夜間瀬ー上条間) |
「ハイデッカー」というのは、客室内の床面がホームよりも高くなっている構造のことで、入口に段差があるのですぐにわかります。着席時に視線が高くなるため眺望がよいのはもちろん、特急料金を払って乗る「特別な」車両なのだ、という雰囲気が濃くなります。
廃車の危機から信州での第二の人生へ
長野電鉄では、元東急電鉄の車両なども活躍中(村山駅) |
ところが、引退した車両の一部が、長野電鉄に無償で譲り渡されることに。都会で使用された車両がローカル私鉄で活躍を続けるというのは決して珍しいことではなく、長野電鉄でも、かつて旧営団地下鉄日比谷線や東急田園都市線を走っていた車両が今も現役。東京では別々だった車両たちが信州の地で一緒に働くというのが、なんとも面白いですね。
このロマンスカー車両も、小田急時代の11両編成から4両編成への組み替えや、冬の雪に備えた改造などが施されたものの、外装はほとんど変わらない状態で走ります。また、小田急ロマンスカーの象徴ともいえる展望席は「ゆけむり」でも健在で、列車の最前部・最後部に計28席があります。
次のページでは、満を持してデビューする特急「ゆけむり」乗車のポイントをご紹介します。