テレビドラマの出演回数なら負けません
堀切駅(ほりきり・東武伊勢崎線)
小さな駅舎だがその存在感は抜群 |
駅前といってもバスやタクシーなどはなく、というより狭くて入ってこれないのですが、1軒の中華料理店以外には商店もなく、そういったことも、この駅舎が残った理由なのかもしれません。駅前を流れる小さな川は、隅田川と荒川を結ぶ水路で、足立区と墨田区の境界です。
土手の下にあるため電車からは荒川が見えませんが、駅を出て跨線橋を渡るとすぐ目の前が河川敷。水門の上を首都高速6号線が横切り、向こう岸の堀切ジャンクションで中央環状線と合流している、一風変わった風景。
駅舎を出れば荒川の河川敷はすぐそこ |
開 業:1902(明治35)年4月1日
所在地:東京都足立区千住曙町
地 図:Yahoo!地図情報
瀟洒な駅舎が今に伝える計画都市
ときわ台駅(ときわだい・東武東上線)
青い瓦屋根と白壁の対照が印象的 |
当初は庶民のための新しい住宅地として開発されたようですが、現在ではお屋敷が並ぶ高級住宅地として知られます。住宅街の街路には、「クルドサック」と呼ばれる円形の袋小路が設けられるなど、大変に手の込んだもの。常盤台住宅地を設計した関係者の意気込みが伝わってきます。
そのようなことを反映して、駅舎も大変に力の入った瀟洒なもの。改札口の上に後から付けたと思われる大きな屋根が張り出していますが、青い瓦屋根が印象的です。
長い年月をかけて守られてきた駅前の豊かな緑 |
『美しかった駅前の広場も戦後は荒れはて、美しさを失うばかりでなく、社会教育の上からも常に寒心に堪えない処であった。丁度そのころ、常盤台小学校児童の奉仕作業によって駅前の美化は着手され、やがて子どもたちの努力は美しい花を開き、駅前の美化は着々と進められた(以下略)』(※句読点筆者)
その後この小学生たちの活動が徐々に地域に広がり、東京都や板橋区なども動かし、近代的な駅前広場が再生された、といったことが綴られています。最後に「昭和三十四年八月」とあるので、今から約半世紀前のことですね。
どんなに時代が移ろっても、ずっと後世に伝えていってほしい駅風景です。
開 業:1935(昭和10)年10月20日
所在地:東京都板橋区常盤台
地 図:Yahoo!地図情報
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