橋本 11:42 → 11:53 八王子(横浜線快速・1011K・クハ204-71)
橋本駅の「めん処 一ぷく」で早めのお昼 |
実はこの橋本駅1番ホームの八王子寄りには、ラーメン・そば・ハンバーガーと3軒の飲食店が並んでいて、どの店もホームから直接店内に入れるようになっている。改札口を出なくても食事ができるわけで、まさに大回り乗車の旅にはうってつけのシステムだ。これを逃す手はなく、その真ん中のそば屋「一ぷく」で月見そば300円をすする。
さて、ここまでの乗車距離は162.6km。東京駅を出てからもうだいぶ乗ってきたような気もするが、まだ全体の3分の1にも満たないのであった。
八王子 12:02 → 12:45 高麗川(八高線普通・1273E・クハ209-3001)
八高線の電車区間は八王子~高麗川 |
八王子と高崎を結ぶ八高線は、1996年に電化された八王子~高麗川間と、非電化の高麗川~高崎(正式には倉賀野)間の2つに分かれている。電化された高麗川までの区間には新型の車両が走り、昔の八高線のイメージはない。
高麗川 13:02 → 14:30 高崎(八高線普通・239D・キハ111-209)
この旅最初で最後のディーゼルカーに乗車 |
越生(おごせ)駅から先は、沿線に荒れ地や雑木林が目立ち、駅舎も古い木造のものが多くなってくる。東京から約50kmしか離れていないが、こんなにもローカル線の風情が残っているのがうれしい。
のんびりとした風景が広がる(折原~寄居) |
丹荘(たんしょう)駅を過ぎ、神流川(かんながわ)を渡るといよいよ群馬県だ。ふと気付くと雨はすっかり上がっていて、雲間から薄日までさしている。同じ関東地方でも、ちょっと移動すれば天気もまたずいぶん変わるものである。そんなことを実感できるのも、鉄道の旅ならではだと思う。
高崎 15:03 → 16:45 小山(両毛線普通・461M・クハ115-1087)
首都圏では貴重になりつつある車両 |
両毛線の「両毛」とは、上毛野(かみつけの)と下毛野(しもつけの) の両方にまたがる地域のこと。関東平野北端の開けたところをほぼ東西に走る路線で、ほとんどの区間は単線である。この沿線には、ラーメンで知られる佐野をはじめ「麺」で有名な所が多いらしく、「めん街道両毛線」と銘打ったキャンペーンが行われたりする。
高崎駅で買っておいた「だるま弁当」 |
はっと我に帰ると、窓の外にはあずき色の車両が停まっている。これはわたらせ渓谷鐵道の車両で、列車は桐生駅に停車中だった。目が覚めると今度は空腹を覚え、買っておいた「だるま弁当」で腹ごしらえをしておく。日光へと連なる足尾山地を眺めながら、と思ったが、いつのまにかまた雨が激しくなっていた。
小山 16:50 → 17:55 友部(水戸線普通・763M・モハ415-9)
乗り換え時間が短かった小山駅 |
そこで小山駅一つ手前の思川(おもいがわ)駅を出たところで先頭車両まで移動、ドアの前で待機しておき、ドアが開くと同時に先陣を切ってダッシュした。駅の通路を走ってはよくないのだが、この際そんなことは言っていられない。しかし私の他にも走り出した人は結構いたから、もし毎日この乗り継ぎを利用するのだとしたら大変だ。
ともあれ小山駅ダッシュのおかげで水戸線の電車には何とか間に合った。しかも予想に反してボックスシート車で、しかも進行方向窓側の席に座ることができた。ロングシートでの1時間を覚悟していたので、これはうれしい。
小山駅を出発してすぐに、茨城県との県境を越える。「つむぎのふるさと結城」と書かれた看板がある結城駅を過ぎると、雨がいっそう激しくなり、雨粒が窓にあたってパラパラと音をたてている。それなのに、玉戸駅のホームには屋根がなく、お客さんたちは傘をさしても吹き込んでくる雨に濡れながら電車を待っていた。
さあ、残す行程はあと少し。友部駅からの続きは次のページへ>>