鉄道/はじめての鉄道旅行

大都市近郊区間って何だ?(2ページ目)

JR運賃計算の特例が設けられている「大都市近郊区間」。この特例を応用すると、一番安い切符で数百kmにも及ぶ一大旅行ができるんです。そんな旅行が実際に可能か検討すべく、まずは特例について勉強してみましょう。

執筆者:高橋 良算

ルートは何通りもある

さて、先ほどは新宿駅から東京駅まで行く3つのルートを挙げましたが、「東京近郊区間」の路線図をよく眺めると、もっと他のルートが見えてきませんか?

ルート4)
  • 新宿→<中央本線>→西国分寺→<武蔵野線>→市川塩浜→<京葉線>→東京
ルート5)
  • 新宿→<中央本線>→西国分寺→<武蔵野線>→府中本町→<南武線>→川崎→<東海道本線>→東京
ルート6)
  • 新宿→<山手線>→日暮里→<常磐線>→新松戸→<武蔵野線>→西船橋→<総武本線>→秋葉原→<山手線>→東京

新宿から反対方向へ行っても、最終的に東京駅には行けますよね。このように考えていけば、たくさんのルートが見つかることでしょう。最短距離をまっすぐ行くのに比べてどんどん大回りのルートになっていくため、「大回り乗車」とも呼ばれています。

ただし、この「大回り乗車」のルートを作成する際には次の条件もすべて満たしていなければなりません。

■切符の有効期間は発売当日限り
大都市近郊区間内のみを利用する場合の切符の有効期限は、1日間です。

■同じ駅を2度通ってはいけない
たとえ乗り換えなくてもダメです。もちろん起点・終点の駅が同一でもいけません。

■途中下車はできない
もし途中下車した場合は、実際に通ってきたルートで計算した運賃との差額を精算する必要があります。

■新幹線は含まない
東海道新幹線(東京~熱海間)、東北新幹線(東京~那須塩原間)、上越新幹線(東京~高崎間)は近郊区間の路線には含みません。

ルートの決定とスケジュール作成

料金地図
東京から130円で行ける駅は……
さて、これらの条件をふまえて、ガイド自身が東京~秋葉原間を遠回りして行ってみるルートを考え、実行してみることにしました。東京から秋葉原までの運賃は130円。ただ、ルートは無限にできてしまうので、朝早すぎず夜遅すぎない時間帯の範囲で、ほどほどに遠回りのルートを考えることにします。

また、実際に乗りに行くとなると、行き当たりばったりというわけにはいかず、乗り継ぎ時間や食事の時間等も考慮して、きっちりとプランを立てなければなりません。そこで時刻表を使って検討をするわけですが、全国の列車時刻が載っている一般的な冊子タイプの時刻表は、大都市の電車区間ではすべての時刻が掲載されていないので、綿密な計画を立てるのには不便です。

東京時刻表
「My Line 東京時刻表」(交通新聞社・定価900円)
そこで今回は「MY LINE 東京時刻表」(交通新聞社発行)を使用しました。この時刻表は、首都圏100kmエリアのJRと私鉄の全列車全時刻が掲載されています。首都圏100kmエリアというのはほぼ東京近郊区間のエリアと一致。まさにこの旅のためにあるような時刻表です。

もちろん、インターネット上の時刻表サイトなどを利用するのもよいでしょう。おすすめは「えきから時刻表」。各路線ごとに全列車の時刻を調べることができます。


次のページでは今回ガイドが実行した大回りルートを紹介!
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