電車(Electric Car)
一般的な電車(115系直流電車) |
また、電化方式には「直流」と「交流」があるため電車の機器もそれぞれに対応させる必要があり、直流区間用の直流電車、交流区間用の交流電車、どちらも走れる交直流電車の3つがあります(さらに交流には50Hzと60Hzがあります)。
パンタグラフは電気の取り込み口 |
電車の車両を機能で分類すると、次のようになります。
制御電動車:「運転室」と「モーター」が付いている車両
中間電動車:「モーター」が付いている車両(「運転室」はない)
制御車 :「運転室」が付いている車両(「モーター」はない)
付随車 :「運転室」も「モーター」もない車両
日本の鉄道全体に占める電化路線(電車が走っている路線)の割合(電化率)は、平成15年度で60.4%(※1)。これをJRだけでみると55.6%(※1)で、意外にも日本の鉄道の約半分は電車ではないのです。ですから、どの鉄道車両を見ても「電車」と呼ぶのは、やっぱりちょっとおかしい感じがしますよね。
(※1)『数字でみる鉄道 2005』財団法人 運輸政策研究機構(2005年)
気動車(Diesel Car)
排気ガスの煤で屋根が黒くなる(キハ40系) |
燃料を燃やしてエンジンを動かしていますので、自動車と同じように排気ガスが出ますし、停車している時もエンジンはアイドリングの状態になっています。このためディーゼルカーの運転されている路線の駅では独特の音と匂いがします。
気動車のグループには、かつて「蒸気動車」「ガソリン動車」などもありましたが今は見られないため、気動車といえば「ディーゼル動車」のことを指すようになっています。
客車(Passenger Car)
古き良き「汽車旅」の雰囲気をもつ客車列車(50系、すでに引退) |
機関車に客車をつないだ列車のことを「客車列車」と呼びます。20年ほど前までは全国各地で走っていた客車列車ですが、速度が遅いことや機関車の付け替えに手間がかかることなどから淘汰が進み、現在では一部のブルートレイン(寝台列車)などでしか見ることができません。
かつて長距離列車の旅といえば、客車列車の旅を意味しました。いわゆる昔ながらの「汽車旅」の雰囲気が味わえる列車が少なくなってしまったのは、残念です。
開発進む次世代車両
さらに従来の車両に加え、燃料電池を利用した世界初の「ハイブリッド鉄道車両」がJR東日本によって実用化され、現在営業用車両を新造中。いよいよ来年からJR小海線で営業運転を開始します。またJR北海道では、線路と道路の両方を走行できる「デュアル・モード・ビークル(DMV)」が実用化間近。このように、鉄道車両にも新時代が訪れようとしており、続々と登場する次世代車両の今後の展開にも注目です。
以上、鉄道車両の分類のあらましと、その中の旅客車についてお話ししました。旅行する時にはいろんな車両があることをぜひ意識してみてくださいね。
[関連リンク]
営業車として世界初のハイブリッド鉄道車両の導入(JR東日本)
デュアル・モード・ビークル Dual Mode Vehicle (DMV)(JR北海道)