鉄道/おすすめ鉄道旅行

鹿島鉄道の旅(茨城県)

各地に点在する地方私鉄。地域密着の営業であるがために、遠くから来る観光客に媚びを売る必要もないため、古き良き時代の鉄道風景が今もなお息づいています。そんな地方私鉄を訪ねる旅をご一緒に。

執筆者:高橋 良算


鹿島鉄道は、茨城県の石岡駅~鉾田(ほこた)駅間27.2kmを結ぶ、非電化の短い鉄道です。石岡駅までは、上野駅から常磐線の特急に乗れば約1時間弱と大変近いこともあり、ローカル線の風情を気軽に味わうにはもってこいの路線。そんな鹿島鉄道を、途中下車しながら旅してみましょう。

あっという間にタイムスリップ

鹿島鉄道の最古参、キハ600形
特急列車を降り、跨線橋を渡って鹿島鉄道のホームへ行くと、その瞬間、何十年か時間を引き戻されたかのような光景を目にします。木造の待合室、古い駅名標、そしてやってきたのはキハ602という古参車両。なんとこの車両、昭和12年に製造されたといいますから、すでに約70歳。製造時そのままの姿ではないようですが、元々は国鉄の車両だったものを譲り受けて大切に大切に使い続けられてきたのです。そして注目すべきは床。これが木なのです!これはもう骨董品と言ってもいい車両ですね。

しかしこの車両、揺れる揺れる。列車の揺れに合わせて横に揺れるのはまあ普通なのですが、このシートのクッションにはどうやら強いバネが入っているようで、列車が弾むたびにまるでトランポリンのように上下に体が飛び跳ねます(乗り物に弱い方はちょっと気分が悪くなるかも……)。でもその乗り心地だって貴重なものです。

こういったローカル鉄道に来たら、ぜひレールにも注目してください。特急列車が走っているような幹線のそれと比べると、なんと細くか弱いことか!目線を低くして遠くのレールまで見通してみると微妙に歪んでいるのが肉眼でもわかります。もちろん安全運行には支障ないのでしょうが、これが乗り心地に直結します。

そんな車両に揺られ、途中下車しつつ終点の鉾田駅へ向かいます。
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