金沢の兼六園、岡山の後楽園とともに日本三名園のひとつに数えられる、茨城県水戸市の「偕楽園」は、梅の名所としても知られています。現在、今年で110回目を数えるという「梅まつり」が開催中ですが、この梅まつり期間中だけ開設されるのが、JR常磐線の臨時駅・偕楽園駅です。

10日間しか乗り降りできない幻の(?)駅

改札口
梅まつり期間のみ開設される偕楽園駅
「臨時駅」というのは、その名の通り常設ではない、1年のうち期間を限って営業する駅のことで、JRでは全国に18ヶ所の臨時駅があります(2006年2月現在)。時刻表では駅名の前に「(臨)」を付けて表記されます(一部表示のないものもあり)が、中には1年間に2日しか営業しないという超レアな駅も。この偕楽園駅も臨時駅の中では営業日数の少ない方で、今シーズン(2006年)の営業は10日間のみとなっています。

臨時の駅ですので駅舎というものはなく、コンクリート板のプラットホームに精算所の小屋が載っかっているだけの簡素なつくり。駅の入口には「歓迎・水戸の梅まつり」と書かれたアーチが掲げられているほか、ホームでは列車が到着する度に「梅大使」の方々による観光パンフレット配布が行われるなど、イベントらしさも演出されています。

梅大使がパンフレットを配布
列車が到着するとホームが賑やかに
偕楽園駅開設日(2006年)
2月25日(土)、2月26日(日)
3月4日(土)、3月5日(日)
3月11日(土)、3月12日(日)
3月18日(土)、3月19日(日)
3月21日(火・祝)

開設時間帯
開設日の9:10~15:30

停車する列車
開設時間内に発着する、特急を含む下り全列車(特急13本、普通列車17本)

80年以上前からあった「仮」の駅

偕楽園駅ホーム
簡素な駅だが意外に歴史は長い
このように特殊な偕楽園駅ですが、その歴史は意外に長く、初めて設置されたのは大正14年2月のこと。当初は「公園下」という仮降車場で、その名の通り、仮に設置された降車のみ取扱いの駅でした。ここから乗ることはできなかったようです。

その後、昭和42年に「偕楽園」(仮降車場)と改称、さらに昭和44年には仮降車場→臨時乗降場となって乗車もできるようになり、昭和62年からは臨時駅として現在に至っています。

上野~水戸間に鉄道が開通したのが明治22年。以後、多くの人が偕楽園を訪れるようになり、当時から梅の季節には「観梅列車」が運行されていたそうです。

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