「駅弁は食べたことがありませんでした」
お話しを聞かせてくれた皆さん(左から、上田清香さん(日大4年・総括ゼミ長)、貝塚香さん(同4年)、大井祐子さん(株式会社桃中軒)、福居沙織さん(日大3年) |
早速、普段駅弁を食べるかどうか尋ねてみると、「食べません」とあっさり。うーん、やっぱり。まあこれはある意味予想していた答えでした。
─ではなぜ駅弁を作ることに?
「何をしようかをブレーンストーミングしていた時に、メンバーの一人がたまたま前日にテレビで駅弁特集を見た、というのがきっかけでポンと出てきたんです」
─そのアイディアに皆さんは?
「すごくいい発想だと思いました。地元だけで食べられる普通のお弁当と違って、三島だけではなく、いろいろな所に運ばれるっていうのが面白いと」
なるほど、確かに駅弁なら三島を通過する人の目にもとまる可能性がありますから、三島の特産を広く紹介するにはもってこいのツール、というわけです。まさに日頃から広い視点でローカルを捉えるべく活動している学生たちならではの着眼点ですね。
駅弁を通じて三島をどう紹介するか
三島駅の駅弁(特殊弁当)としては、「鯛めし」「桜えびめし」「港あじ鮨」「うなぎめし」の4種類が時刻表に掲載されていますが、最初の3つはどちらかというとお隣の沼津駅の駅弁。残る「うなぎめし」も、三島のうなぎは有名とはいえ、肝心のうなぎは浜名湖産で、地元の食材というわけではないようです。そこで考えたのが、地場産の野菜。この三島の東部、箱根から続く斜面にある箱根西麓エリアは、火山灰土が積もった肥沃な土壌で、野菜のなかでも特に「根もの」の栽培に適した地域です。
まずは三島野菜をテーマに、色々な野菜を詰め込んで弁当の試作をしてみたところ、
「インパクトがなかったんです。これだと普通のお弁当を食べているみたいで、結局三島は何が有名なのか、ということがわからない」
何か一つの食材にしぼり込む必要性を感じ、まずはじゃがいも、大根、カボチャの3つを選び、さらに試行錯誤の結果行き着いたのが地場産の「大根」。全国に駅弁数多しと言えども、大根を主役に据えたものはおそらく日本初ではないでしょうか?
しかし「大根」を選んだが故の苦労も。そしてついに完成へ!>>