鉄道/特急

小田急電鉄・特急ロマンスカーVSEの魅力(2ページ目)

高層ビルの林立する新宿を出発して、自然があふれるリゾート地、箱根へ向かう約85分の旅。このONからOFFへの移動を、まるで自宅でくつろぐように快適に過ごせる列車、小田急ロマンスカーVSEの魅力に迫ります。

執筆者:高橋 良算

快適なシートの秘密はオフィスチェアにあった!

様々な工夫が盛り込まれたVSEの特徴ある車内。3つの点に注目してみました。

天井
ドーム形の高い天井
高い天井が気持ちいい
VSEの「Vault(=ドーム形の天井)」にそのままぴったりなのが、この高い天井です。機器を床下に設置して、天井を高くすることにより、従来の車両に比べて45cmも高い、2.55mという室内高が確保されています。

側窓
鉄道旅行の楽しみの一つは、車窓を流れ行く景色を眺めること。ところが、座席に座ると目の前が窓枠だったり、窓と窓の間の壁だったりすることもしばしばで、これでは景色が見にくく、旅の楽しさが半減してしまいます。

そこでVSEでは、何と長さ4m、高さ70cmという大型の連続窓が採用されました。この大きな窓によって、移り行く風景が申し分なく楽しめるのはもちろんのこと、車内がとても明るく、爽やかな印象となっています。

座席
リクライニングシート
美しく、かつ高機能のリクライニングシート
設計者によると、この車両の中でも、開発当初から最も力を入れて取り組んだことの一つが、より居住性を高めるための「座席のデザイン」だったとのこと。

中でもシートは、オフィス家具でおなじみの、オカムラ(岡村製作所)が製作を担当。座って背もたれを後ろに傾けると、連動して座面が下がりながら後方にスライドする、という機構が採用されており、これはなんと高級オフィスチェアで使われている機構なのだとか。

こんなところにも、機能一辺倒ではない、建築デザイン専門家ならではの発想と心遣いが盛り込まれています。皆さんも、座ったらぜひ実際にシートを倒して、座り心地を体感してみて下さい。

そして特筆すべきは、それぞれの座席が5度ずつ窓側へ向けられている点。実際に座ってみると、この5度の差はけっこう大きいんですね。景色をゆっくりと眺めて欲しいという細やかな配慮に、うれしくなります。

また、シートピッチ(前の座席との間隔)は、中間車(先頭車以外の車両)で1,050mmと従来車両より格段に広くゆったりとしていて、窓側席の人が、通路側席の人にさほど気兼ねすることなく出入りできます。

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